「訂正疲れ」していませんか? 誤解を受け流すだけでラクになる理由
誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、33万部突破シリーズの原点となった『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!

人は誰でも誤解をしている
今日は、「人は誤解をするもの」というテーマでお話ししたいと思います。
よく「誤解する人もいる」と言いますが、私はむしろ、「人は全員、少なからず誤解をしている」と考えています。
なぜなら、相手の考えていることや感じていることを、私たちは100%知ることができないからです。どれだけ丁寧に説明したつもりでも、どこかで誤解が生まれるのは避けられません。
誤解は無理に直さなくていい
私がよくお伝えしているのは、「誤解は直さなくていい」ということです。もちろん、誤解されると気になりますし、つい訂正したくなりますよね。
でも、そもそも誤解している時点で、その人はなかなかこちらの意図を受け取りにくい状態です。その場ではわかったように見えても、後から全然違う解釈をしている……なんてこともよくあります。
だからこそ、「誤解されてもまあいいか」と受け流す力が、とても大事なんです。
自分の言葉に自信を持とう
もし、誤解されるたびに毎回訂正しようとしていたら、だんだん自分が何を言いたいのか分からなくなってしまいます。そこにエネルギーを使うのは、もったいないですよね。
それよりも、自分の考えや感じていることを素直に表明することのほうが大切です。たとえ似たような意見に見えても、あなたの中には、あなただけの視点やオリジナリティがあります。
その独特な感覚が、誰かの参考になったり、会話のきっかけになったりすることもあるのです。
誤解されても表明する価値はある
人と話すというのは、誤解を避けるためではありません。むしろ、「誤解されても構わない」という前提に立って、自分の考えを伝えることが大事です。
「私は今こう感じている」「こう思っている」という気持ちを表明するだけでいいのです。それが正しいか間違っているかというのは、本質ではありません。
理解は「程度の差」にすぎない
私たちは、誰かの話を聞くときにも、どこかで誤解をしています。完全に理解することはできませんし、「わかったつもり」になることはあっても、本当の意味で100%わかることはないのです。
だからこそ、意見を交わし合い、誤解しながらも少しずつ共通点を見つけていく――そのプロセスこそが、対話の楽しさであり、価値なのだと思います。
正しさよりも、対話の楽しさを大切に
「正しい」「間違っている」にこだわりすぎると、会話はギスギスしてしまいます。さらには、自分の意見を言うこと自体が億劫になってしまうこともあります。
そんなの、もったいないですよね。だからこそ、「どうせ誰でも誤解するものだ」と思って、自分の意見を伝えたり、人の話を聞いたりしてみてください。
その中で共通点を見つけたり、相手の視点を楽しんだりすることが、きっと前向きなコミュニケーションにつながっていきます。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。