
日経平均株価の急落局面で、金融危機後で最大となる資金流入を記録した日本株型投資信託。では、その後に訪れた「日本株の急騰」に対して、個人投資家たちはどのように動いたのでしょうか。今回は、インデックス型とアクティブ型、それぞれの直近の資金流出入データから、個人投資家たちのリアルな心理と今後の見通しを読み解きます。
日経平均は4月、5月の上昇を受け年初来上昇率が30%超
TOPIXと日経平均の値動きの違いが鮮明に
2026年5月の日本株市場は、米国とイランの紛争に関するニュースに左右される展開ながらも、堅調な動きとなりました。とりわけ半導体関連銘柄の業績期待などから日経平均株価の上昇率が大きく、5月は11.9%の上昇と、4月の16.1%に続き2カ月連続で2ケタの上昇率を記録しています。
米国とイランの紛争開始が2月末だったこともあり、3月は-13.4%と大幅な下落となり、年初からの上昇分をほぼ帳消していました。しかし、この4月・5月の上昇を受けて、年初来の上昇率は31.8%に達しています。なお、東証株価指数(TOPIX)は4月6.6%、5月6.2%で、年初来では16.1%の上昇です。TOPIXと日経平均の値動きの違いが鮮明となっています。
以前の連載「日経平均13%急落でも個人投資家は『超・強気』!――3月の投信流入2.3兆円、日本株型への流入額は金融危機後で最大に」で、3月の急落を受けて日本株型投資信託への資金流入額が金融危機後で最大となったことを取り上げました。その後の日本株の急騰を受けて、個人投資家はどのように動いたのでしょうか。今回は日本株型投資信託の直近の動向を解説します。
インデックス型は一時的な利益確定売りへ
しかし5月には再び500億円の資金流入に転じる
3月の日本株型投資信託への資金流入額は、4480億円でした。内訳をみると、日経平均株価に連動するタイプを中心としたインデックス型が3分の2程度を占めています。
4月は、株価の戻りを受けて、インデックス型の日本株型投資信託の資金が、1370億円の資金流出に転じており、利益確定売りに見舞われていたことがわかります。ただし、こうした動きは4月で一服しており、日経平均株価が最高値の更新を続けた5月にはインデックス型の日本株型投資信託は再び500億円程度の資金流入に転じています。
アクティブ型は8カ月連続の資金流入を記録
中長期的な日本株相場への強気な見通しが浮き彫りに
続いて、アクティブ型の日本株型投資信託を見ると、3月の2120億円の資金流入から減速しているものの、4月に520億円、5月に890億円と資金流入が続いています。また、資金流入は2025年10月から8カ月連続となっています。
アクティブ型の日本株型投資信託は対面で購入されるケースが多いことから、資金フローのトレンドが継続しやすい傾向があります。(一方で、インデックス型の日本株ファンドは大きく下落した時に買われ、短期的な利益確定が行われやすい傾向があります)。
そういった意味では、アクティブ型の日本株型投資信託への継続的な資金流入は、中長期的な日本株相場に対する強気な見通しを反映しているものと考えられます。
藤原延介(ふじわら・のぶゆき)●1998年三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。マーケティング部 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応大学経済学部卒。
20年超にわたって投資信託動向を分析してきた藤原延介氏が、投資信託の最新動向やニュースを取り上げて、わかりやすく解説! 2024年から大幅拡大したNISAでは、投資信託での運用が不可欠に。でも「どうやって選べばいいの?」「組み合わせ方法は?」などわからない人も多いのでは? このコラムで投資信託の売れ筋やトレンドの変化をチェックすることで、投資信託の選び方や資産運用法などが見えてきます。
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本記事は2026年6月13日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。







