そんなある日、幼なじみに何気なく「英語を使う仕事をしたいって言ってなかったっけ?」と言われてしまいました。本人は悪気なく言ったようですが、わたしはその一言が大きく胸に響きました。

「やっぱり英語を使った仕事がしたい」という気持ちが強くなり、その2年後、ワーホリビザを取得してカナダへ渡航することになったのです。渡航までに少しでも英語を伸ばすため、通勤時や帰宅してから合計1時間ほど英語の勉強をしていました。

TOEICで800点取れていても
「英語がしゃべれない…!」

 しかし、カナダに渡航すると、1日目から「英語がしゃべれない…!」と衝撃を受けました。入国審査のときからすでに、英語の返答が口から出てこなかったのです。

 渡航前に受けたTOEICでは800点くらい取れていて、何となく自分の英語力には自信があったため、これには本当に驚きました。

 初日の夜、ホームステイの部屋で眠れず「これはまずい…」と天井をながめていたのを今でも鮮明に覚えています。

 ワーホリで一般的なのが、最初の数カ月間を現地の語学学校に通って英語力をつけて、その後に就労先を見つけて働くというスタイルです。

 わたしも、カナダに渡航してすぐに語学学校を開始し、合計で3カ月ほど通い、現地の企業で1カ月インターンシップをしました。

 渡航1日目の衝撃があったので、とにかく英語が話せるようになるため「会話量を増やす」ことを念頭に、他国の友だちをたくさん作り、日本人の留学生とも英語で話し、クラブやパーティーに積極的に参加して、現地の友だちを作って会話の機会を増やすようにしました。

 インドア派のわたしにとって、これはかなりキツかったのですが、こうしないと英語は伸びないと思い込んでいたので頑張りました。

 そんな生活を1年ほど続けてどうなったかというと、驚くほど伸びませんでした。確かに、英語を口にすることは慣れたのですが、いまだになかなか言葉が出てこないし、聞き返されることも多いし、自分でも文法が間違っているのがわかるし…何より、「ペラペラ」にはほど遠い状態で、絶望を感じていました。