そんな生活を半年ほど続けたころ、ふと「あれ?英語が口から出やすくなっているな?」と感じました。明らかに口からスラっと受け答えが出てくるのです。しかも、日本語からの直訳っぽい英語ではなく、ネイティブっぽいこなれた表現ができていると自分でも感じました。

 半年(合計1年)経つとさらに伸びを感じ、日常の英会話には困らなくなりました。ネイティブを含め、いろいろな人に「英語うまいね」と言われるようになりました。

 これが人生で最大級に英語力が伸びた時期です。自分でもはっきりと実感できるほど、スラスラと話せるようになりました。

 さらに、聞く・読む・書くも含め、全方面のスキルで伸びを実感しました。

「国際結婚で英語力が伸びる」は
間違い!本人の努力が必須

 ちなみに、「結婚相手との会話で伸びた、ということではないですか?」と聞かれることも多いのですが、これについては違うと断言できます。

 というのも、わたしの場合は、そもそも相手が静かな人のため、ほぼ会話をしないまま各自、別の部屋で休日を地味に過ごすことが多かったのです。

 わたしのケースだけではなく、カナダに住んで15年間、30組以上の国際夫婦や恋人のケースを見てきましたが、世間で信じられている「国際結婚をすれば英語が伸びる」という説は間違いだと確信しました。

 国際結婚をしている人のなかで英語力が伸びている人は、100%の確率で自分でも勉強していました。

 ここでいう勉強とは、多聴・多読を含むインプット全般を指します。逆にそれをやらない人は、数十年経っても英語力はまったく変わっていません。

 むしろ相手が慣れてしまって、文法や単語がつたない初級英語でも理解できるようになっていたり、日本語と英語のミックスで話したりなど、独自のコミュニケーション法を生み出して、英語力自体は伸びないケースがほとんどです。

 わたしが多聴・多読を推しているのは、これが言葉の本質であり唯一効果がある学習法であると同時に、わたしのようなインドア派の人を救いたい、という思いもあります。