お酒を1本だけのつもりが
飲みすぎてしまうのはなぜ?
健康診断でお酒を減らすよう指導されましたが、晩酌がやめられません。
飲む前はいつも「1本でやめよう」と思うのに、飲み始めると「もうちょっとだけ」と物足りなさからついつい2本目、3本目と手が伸びてしまいます。
妻からも小言を言われて困っています。
人間の行動には大きく分けて4つの理由があると言われています。
飲酒を例にすると、1つ目は「物や活動が得られる」ことです。この場合では物=お酒で、活動は晩酌という時間を過ごすことでしょうか。たとえば、喉が渇いているからお酒を飲んだり、おいしいつまみを楽しんだりすることが該当します。
2つ目は「社会的注目を得る」ことです。お酒に強いと自慢できたり、お酒を介してつきあいが深まったりする場合です。
3つ目は「逃避や回避ができる」ことです。酔ってしまえば嫌なことを忘れられるという理由です。
4つ目は「身体的感覚」です。酔っ払ってほわっと脱力する感覚を楽しむことが該当します。
マサユキさんがお酒を飲む理由は3つ目の逃避や回避です。
特に職場の苦手な上司と会議で同席する水曜日には、仕事のストレスが高まり、そのためお酒の量が増えてしまいます。このような理由で、彼はお酒を飲むことが多いのです。
解決策は自分にとっての
飲酒のメリットを見直すこと
自分にとってお酒を飲むメリットに注目し、本当は何を求めているのかを分析するとよいでしょう。そして、やめたい行動を減らすために、その行動の理由を満たすような別の行動(代替行動)を増やして置き換えていくことが効果的です。
たとえば、マサユキさんの場合、特に職場の苦手な上司と同席する水曜日には仕事のストレスが高まり、そのためお酒の量が増えていました。つまり、ストレスを解消できるということがお酒を飲むメリットだったのです。そこで、水曜日に仕事のストレスを吐き出したり、解消したりするための行動を試みることにしました。
具体的には、水曜日の夜にゴルフの練習場に通い始めたのです。ゴルフはリラックスできる趣味であり、体を動かすことでストレスを発散するのにも適しています。
自宅だとグラスやおつまみ、食卓などいつもの晩酌を思い出すトリガーが多すぎますが、ゴルフ練習場には飲酒につながるきっかけがないのもよかったようです。