いつ、どういったことに腹が立ち、その怒りの強さはどれくらいか、といった内容をメモ書きしよう。解決策を考える必要はなく、腹が立った「日時」「場所」「出来事」「怒りの点数」だけを書き、分析はしない。

 たとえば、次のような記録の仕方をするといい。

●朝、ゴミ出し担当の連れ合いがゴミを忘れて出勤していった。腹立ちレベルは2点。
●立ち寄ったコンビニ。レジ係に怒鳴りつける客を見た。腹立ちレベルは4点。
●休日、ファミレスでのランチ。子どもが走り回って、親はまったく注意せず。腹立ちレベル6点。
●通勤中、歩道を歩いていたら、前から自転車がすごいスピードで走ってきて、危うくぶつかりそうになった。腹立ちレベルは8点。

 怒りの感情が湧いたとき、すぐにノートやスマホを取り出して記録することが大切だ。1日に何度も腹が立ったときには、そのたびに書くようにしよう。その場で書くのがどうしても難しい場合は、1日の終わりに振り返って書いてもいい。

 記録するときには、怒りを一歩引いたところから観察するので、たかぶった感情を抑えることができる。また、自分の怒りの傾向をつかめるのも大きなメリットだ。

 気づかいのない振る舞いをされたり、見たりするとカチンとくる、約束を破られたら腹が立つ、といった感じだ。怒りの傾向をうまくつかめたら、腹が立つ事態になることを避けるのも可能になる。

 連れ合いが朝のゴミ出しを忘れそうなら、家を出る前に「今日はゴミの日だから」と改めて伝える。コンビニのレジでイヤな気分にならないために、横柄そうな客の後ろには並ばない。このような解決策を取れば、腹が立つ機会が少なくなるはずだ。

 2~3週間、怒りの記録がたまったら、じっくり見返して、自分の感情の傾向を読み取ってみよう。