「すみません」を「ありがとう」に言い換えるだけで、仕事も人間関係ももっとうまくいく。結婚披露宴等でプロ司会者として活動する傍ら、マナーや人間関係に関する著書も多い鹿島しのぶ氏の新刊『小さな感謝 人生を好転させる一番簡単な方法』からの一部抜粋で、「感謝力」の磨き方を教授する。
「すみません」は
3つの意味を持っている
日本人は、何かあるとすぐに「すみません」という言葉を口にします。
電車で席を譲られたとき、「すみません」。エレベーターで「お先にどうぞ」といわれたとき、「すみません」。会社で書類を渡されたとき、「すみません」……。
外国人の多くは、そんな日本人を見て、「なぜ日本人は、あんなに謝ってばかりいるんだろう」と不思議に思うそうです。
でも、人に頭を下げるのはけっして悪いことではありませんし、「すみません」という言葉が、日本人の持つ「謙譲の心」の表れだと考えれば、世界に誇ってもいい文化です。コミュニケーションの潤滑油として捨てたものではないと思います。
そもそも「すみません」は、「済む」に打ち消しの「ぬ」をつけた、「済まぬ」の丁寧語で、大きく分けて、(1)謝罪、(2)依頼、(3)感謝の3つの意味を持っています。