「怒れるイーロン」復活、テスラにはプラスPhoto: Emil Lendof/WSJ, Getty Images

 このところイーロン・マスク氏の発言に耳を傾けると、不当な扱いを受けていると感じている男のようだ。

 そして、ホワイトハウスからしっぽを巻いて人目を避けるように去るマスク氏は、とりわけ怒りっぽい。自分が ナチスの一員と見なされた と腹を立て、自身の政治活動を テスラ への攻撃の口実に使った者がいることに怒り、自分が詳しく調べられていることに憤っている。

 こうした光景は以前に見たことがある。マスク氏は常に、信じられないほどすぐに激しい怒りを爆発させる。それは、侮辱されたと気づいたときや個人的な怒りを感じたとき、あるいは不信感を表明する批判者やソーシャルメディアの懐疑的な人々の声によってあおられる。

 しかし、歴史はそれが猛烈な何かを解き放つ可能性があることを示している。「怒れるイーロン」だ。ズボンをはち切れさせて緑色に変身する「超人ハルク」のように、マスク氏は感情を爆発させる前に黙り込む。最近のマスク氏はまたもや腹を立てているようで、彼の視線は上向きになり、視界は怒りで赤く曇っている。

 怒れるイーロンは、テスラに投資している人たちにとっては非常に良いことかもしれない。マスク氏は目標達成に集中することができ、誰もが間違っていると証明することに心血を注ぐことができる。そうした状態のマスク氏は宇宙に行くことができるし、電気自動車(EV)を主流にすることが可能だ。

 とはいうものの、投資家はマスク氏が目標を達成する姿をしばらく見ていない。