テスラPhoto:Justin Sullivan/gettyimages

 米電気自動車(EV)大手 テスラ のトップは多忙で知られているが、本業に割く時間を間もなく大幅に増やすようだ。それが吉と出るかは不明だ。

 イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は22日の1-3月期(第1四半期)決算説明会で、「政府効率化省立ち上げの主な作業が完了した」ため、5月からテスラに割く時間を増やすと述べた。これに先立ち同社が発表した四半期決算は、ここ最近ではまれにみる低調ぶりだった。売上高(前年同期比)はこの13年で最大の落ち込みとなり、営業利益は市場予想を約65%下回った。

 発表がこのタイミングだったことで、マスク氏の脇見運転がテスラの苦境の主因のように聞こえるかもしれない。だが今回の決算で明らかになったのは、トランプ米政権におけるマスク氏の仕事ぶりが物議を醸し、購入者になっていたかもしれない多くの人にとってテスラのイメージが悪くなったということだ。同社は22日の株主宛て書簡で、需要を左右する要因に「政治的雰囲気の変化」を挙げた。マスク氏は決算説明会の冒頭で「反発」に言及し、「無駄な大盤振る舞いの受益者」が同社に抗議していると述べた。また、引き続き週に「1~2日」を政府の事案に割く意向を示した。