悠木 いいタイミングね。
山城 相性がいいんだろうと思いますよね。
悠木 外国に行ったりなさるでしょう。たとえばおかみさんのおみやげなんて、気をつかいます?
山城 ぼくはともかく結婚、恋愛を含めて18年つき合っているんだけれども、毎日かみさんの歓心を買いたくてしょうがないわけ。
悠木 へええ?
かみさんは家にいてほしい
どうしても養いたい
山城 ドラマでもそうなんだけど、ぼくはえらい批評家にほめられようが、けなされようがどうでもいい。ワイフだけがモニターで。妻が――正しい目じゃないと思うけれども、「わりによかったわ」みたいなの……。
だから、きょう、女房のごきげんとりたい、歓心を買いたい、かみさんが喜んでくれたというのがすごくうれしい部分があるの。だから、やたら女房のものを買いたい。
悠木 はァ。じゃ、さんざん外国旅行して、帰り際に、あ、かみさんに買っていかなきゃならない、飛行場であわてて香水を買うっていうことは。
山城 それはないです。頭から女房に、今回こういう……やっぱりトリッキーなことを考えるわけよ。これをふっと見せたときにこういう喜び方をするだろうなと、意外なものを買うみたいな。感動したら泣いちゃいますからね。子どもみたいなやつだから、喜んで。
悠木 わりとみんな女房女房いって、口にするわりには、飛行場でチャッチャッと買って値段は高いんだけれども、すごく安易な感じ。
山城 ぼくは服から靴から……。うちのかみさんは何にもしない人でね。ぼくが全部選ぶんですよ。本来オスというものは、ぼくの考え方は独裁的なんだけれども、かつてわれわれが石矢をもって恐竜やマンモスと戦って養ったみたいに、ぼくの中には多少なごりがあるわけ。
だから、かみさんは家にいてほしいわけ。ぼくはどうしても養いたいわけ。保護本能が強いですから。そういう意味では、うちのワイフなんていうのはひ弱で、1年中10カ所も20カ所も病院にかかる。どうってことないんですけど、やたら病院が好きで。3日も京都にロケに行きっぱなしだったら、ひょっとして何にも食わずに死んでいるんじゃないかみたいな気にさすわけね。
女のせいでひどい目に
遭ったことは一度もない
悠木 女にひどい目に遭ったことないですか。
山城 ないですよ、一度も。また、だから楽天家で太るんだろうけどね。ぼくはワイフに感動したのはね、ある日、うちの会社の先輩でおもしろくないやつがいて、ぼくがかみさんと飲みながらグチったわけ。男らしくないグチリ方をした。かみさん、やおら興奮してね。日本てぬぐいと出刃庖丁を持って、殺してこいというんですよ(笑)。
その家はどこだか調べてあるから行ってこいっていうわけ。あなた、男の自尊心を著しく傷つけられたんだから死刑にはならないというんですよ。殺す動機は十分ある。こっちも酔っぱらっているからね。珍しく飲めない酒飲んで。よおしってそれをふところに呑んでね。表に出たけれども……。
悠木 どうしていいかわからない(笑)。