4.庭の状況が反映される“外壁点検”機会の有無
庭などの「外構」の手入れ状況も雨漏りリスクに影響する。庭が荒れると建物外周への接近が困難になり、状態把握の機会が失われ、劣化サインを見逃しやすいからだ。
【注意すべきサイン】
庭の雑草繁茂や物散乱は外壁・基礎へのアクセスを悪化させ点検困難に。外壁のひび割れ・汚れ、基礎の変状、雨どいの破損・詰まりなどの不具合発見が遅れるリスクがある。
【放置すると?】
建物の状態チェックが不十分となり、雨漏りの兆候を見逃しやすくなる。雨漏りが発生・進行しても気づかず、被害の深刻化にもつながってしまう。
5.“無管理”な空き家が雨漏り進行を加速
前述の3.4と共通する雨漏りリスクが「日常的な管理の目が行き届かない」ことだ。「無管理」状態が続けば雨水浸入やダメージ拡大のおそれがある。
【注意すべきサイン】
居住者不在のため、建物に何らかの不具合、例えば、台風による屋根材の飛散や外壁の損傷などが発生しても、それが長期間発見されない。普段住んでいれば気づくであろう雨音の変化、室内のわずかな染み、カビ臭といった雨漏りの初期症状に気づく機会が失われてしまう。
【放置すると?】
建物が損傷した状態のまま長期間雨風にさらされれば、雨水の浸入はより容易となり、雨漏りは進行・悪化の一途をたどる。管理不在の期間が長引くほど、建物全体の劣化は加速し、資産価値の低下は避けられないだろう。
見えない雨漏りが招く
資産価値下落のリアル
雨漏りは生活上の不快感だけでなく、資産価値を大きく損なう深刻な事態に発展する。経済的負担も想像以上に大きくなりがちだ。雨漏りが発生した際、その経済的負担は想像以上に大きくなる場合もある。
修繕費用は、被害の範囲や進行度合いによってケース・バイ・ケースだが、数万円程度で済む軽微な事例もあれば、建物全体の修繕が必要となり、800万~900万円といった高額な費用を要した事例も存在する。大規模修繕では工期が数カ月に及び、仮住まいが必要になるなど、金銭的・時間的・精神的負担も大きい。また、雨漏りの経歴は不動産評価に影響し、買い手が慎重になるため売却価格が下がったり、売れにくくなったりする可能性も考慮すべきだ。