さらに、計画を立てたあとは、道筋が見えたことで「できそうだ」と感じる楽観バイアスもかかります。そのため、新年の計画を立てただけで達成感を得てしまい、何も行動を起こさないまま次の年を迎えてしまう、ということが起こるのです。
新しいことを始めるときは、あれもこれもと手をつけず、一番大事なことを1つだけ見極めて手をつけましょう。一度にいろいろ手をつけてやめるより、「こんな簡単なことでいいの?」と思うような小さなことを1つ続けたほうが大きな成果につながります。
「1年で100万円貯める!」と意気込んで貯金を始めたけれど3カ月で続かなくなるより、毎日100円だけ貯金箱に入れ続けることを何十年も続けたほうがお金が貯まります。英単語も1日10個覚えようとしてすぐ挫折するよりは、1日1個を確実に覚えていけば、1年経ったころには365個の新しい英単語が身についています。いろいろ始めてやめてしまうより、続けることを優先しましょう。
マルチタスクは
かえって効率が悪い
一時はもてはやされたマルチタスクですが、今ではさまざまなデメリットがあることがわかってきています。マサチューセッツ工科大学の神経学者、アール・ミラー氏はこういっています。
「私たちの脳はマルチタスクには適していません。人々がマルチタスクをしていると思っているとき、実際には非常に迅速に1つのタスクから別のタスクへと切り替えているだけです。そして、そのたびに認知的なコストが発生します」(英ガーディアン紙)
その発言を裏づけるかのように、マルチタスクはシングルタスクより時間がかかる、脳に負担をかけている、燃え尽き症候群を誘発する、などといったさまざまなデメリットも指摘されています。
一度にいろいろ手をつけるのは無理なのだと割り切って、毎日続けても負担にならない小さなことをまず1週間続けてみてください。小さなことだともっとやりたくなるかもしれませんが、そこはグッと我慢して、とにかく淡々と。やることの大きさや数の多さより、無理なく続けることを目標にしましょう。
仕事を頼まれたときに
二つ返事で引き受けてはダメ
人から何かを頼まれたときに、断れない人は多いでしょう。ですが、すぐやる人ほど自分の中の優先順位が明確にあるため、その頼み事がどういうものかを確認して、業務範囲や締め切りの交渉をします。無理と判断すれば、断ることもためらいません。