中学受験生がいるご家庭にとって、5月~6月は、志望校の説明会や文化祭などが目白押しの季節。わが子に本当に合う学校はどこなのかを、子どもと一緒に実際に体感し、見極めに行くチャンスです。とはいえ、ただ漫然と行くだけでは学校の真の姿は分からないもの。子どもを本当に伸ばしてくれる志望校の見極め方や選び方、さらにはその志望校に合格するための「過去問対策」の方法までが一冊にまとった『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著)から抜粋して、そのノウハウの一部をご紹介します。

【予備校不要】東大100人合格を支えた「塾に頼らない学校」の裏側Photo: Adobe Stock

大学受験対策については説明会で確認しよう

「塾や予備校に行かずに大学受験ができるかどうか」は、私立の学費だけで済むのか、そこに塾代が加算されるのかの違いでもあり、家計にとっては大きな問題です。

「目白研心(東京都)」は、「予備校に行く必要はありません」とホームページに明記。毎朝「確認テスト」が行われ、それを終礼で返却。不合格の場合は、パソコンを使った映像学習をしてその日のうちに再テストが行われます。生徒の自主学習を支える「学習支援センター」にはチューターが常駐し、生徒の質問や相談に乗ってくれます。

大学合格のための無駄のないカリキュラム

以前、教育誌で興味深い座談会がありました。

東大1年生を集め、「自分の子どもに中学受験をさせるか否か」をテーマに私立出身者、公立出身者に語らせるというものでした。ここで「開成」「桜蔭」出身者は「絶対させる」と話しており、その理由として「東大合格のために、学校が無駄のないカリキュラムを組んでくれているから最短で合格できる」と説明していました。

かたや地方公立出身者は「入試直前になっても教科書が終わってない科目もあった」「高3夏まで部活に励んでいたけれど、自分でスケジュールをやりくりして合格できたから、わざわざ中学受験させなくても良い」と。

もし、学校で大学受験の力をしっかりつけてほしい、と思われるならば、どこまで大学入試対策をしてくれるかは重要です。カリキュラムを外注せず、自前で組んだ「聖光学院」はその成果が表れ、2024年入試で東大合格者が100人となりました。

「予備校を上回る面倒見の良さや魅力があるかどうか」に自信のある学校は、そのウリを説明会で詳しく説明しますし、質問しても具体的に返ってきます。

ただし、それ以上に大切なのは、どの生徒も取りこぼさないようなサポート体制か否かです。授業についていけないにもかかわらず、朝夕の小テストが厳しくて合格するまで帰らせてもらえない、塾や家庭教師にサポートしてほしくてもその時間が捻出できずどんどん落ちこぼれてしまうという学校もあります。

カリキュラムや補習が生徒不在で形骸化していないか、ぜひ学園祭で在校生に聞いてみましょう。

*本記事は、『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成したものです。