メカニズムは、主力となるe:HEVのエネルギーマネージメント制御を改善。エンジン始動回数を大幅に低減するとともにアクセルレスポンスの向上を図った。同時にFF車ではダンパー減衰力を再設定しフラットな乗り味を強調。4WD車はトラクションコントロール介入タイミングの見直しで走破性を高めている。遮音材と防音材の効率配置で、静粛性を大幅に向上させたのもポイント。エンジン&モータースペックは従来と共通ながら、開発陣が「徹底的な走り込みで、ぐんとドライブが楽しいクルマになっている」と語るように、ハイレベルだった実力が一段と向上している。

 走りは、日常領域のスムーズさとスピードの伸びが印象的。ハイウエイやワインディングロードでは、今一歩、パワーの余裕が欲しいと感じるシーンもあるが、全体として十分に満足できる。静粛性もハイレベル。電動車ならではの静けさは大きな魅力だ。ハンドリングの楽しさと、良好な快適性を含め、ヴェゼルの完成度は抜群に高い。誰が乗っても、気持ちがいいと感じる走りの持ち主である。

個性的なモデルパッケージを設定。
選ぶ楽しさ満点

 最新型は、“選ぶ楽しさ”という点でも際立っている。注目は販売主力となるe:HEV車の充実だ。上級のZにPLaYパッケージ。ベーシックグレードのXにはHuNT(ハント)パッケージが新設定された。

 PLaYはファッショナブルな印象のスペシャルモデル。従来の独立グレードから、Zベースに刷新することで左右独立オートAC、アダプティブドライビングビームなど装備が充実。駆動方式も4WDが選べるようになった。ボディカラーに2トーンカラーを採用し、明るいグレージュ内装で開放感を高めたのは従来と同様。各部の差し色をブルーとすることで、都会的なイメージを強めたのがポイントになる。価格はベース車比35万7500円高。高価だが、PLaYはHondaコネクトナビ&ケータイ・ワイヤレス充電が標準。パノラマルーフもopで選べる。