鎌田 夜10時には寝たほうがいいですよ。夜中の12時から2時の間に、お肌をきれいにするホルモンが出ますから。

荻原 まあ、素敵!

鎌田 そして朝4時から6時までの間に体重を減らすホルモンが出ます。

荻原 ええっ?そんなものまで!

鎌田 そういう意味で、夜11時から朝6時までは眠りの中に入っていたほうがいいと思います。それでちょうど7時間睡眠です。

荻原 私の夫なんて、朝7時になっても起きません。なかなか目が覚めない人はどうしたらいいんですか?

鎌田 夜があまりに遅いなら話は別ですが、8時間でも9時間でも寝ていられるというのであれば「睡眠力」があるということですから、心配無用です。仕事などに支障が出ないようであれば、寝かせてあげていいと思います。

荻原 そうか、夫には睡眠力があるんですね。確かに幸せそうです(笑)。睡眠力をつけるためにできることって何かありますか?

睡眠と覚醒のリズムを整え
睡眠力をアップする方法

鎌田「概日リズム」、つまり睡眠と覚醒のリズムを整えることが一番大事です。これが乱れると免疫力が弱くなったり、認知症になりやすくなったりするんです。

荻原 起きる時間と寝る時間を、毎日同じにするということですか?

鎌田 簡単に言えばそういうことです。人間には体内時計があって、多くの人が24時間30分くらいで動くんですよ。つまり地球の自転よりも30分くらい長いの。だから体内時計に従っていれば、昨日は夜10時に寝ても、今日は夜10時半、明日は夜11時…って、寝るのはどんどん遅くなるものなんです。

荻原 若い頃、「夜は何時まででも起きていられるのに、朝は早起きできないのはなぜ?」ってよく思っていました。寝坊&夜更かしになるのは体内時計のせいなんですね。

鎌田 そうそう。これを放っておくと時差ボケみたいになって、子どもは学校に行けなくなっちゃう。だから、朝にそのずれをリセットする必要があるんです。

荻原 リセットしてくれるのが、太陽の光なんですね。