荻原 1匹は11歳、もう1匹は3歳です。1匹目が8歳のときに、突然「この子はきっと私より先に亡くなっちゃう。そうしたら寂しいだろうなあ」と思って、重ね飼いすることにしちゃったんです(笑)。

鎌田 ペットに救われるって、すごくあるよね。ぼくの父は、母が亡くなったあと10年間、一人暮らしをしていたんですが、3匹の猫と暮らしていました。猫が父を支えてくれているように見えましたね。

荻原 わかります。年齢が上がるほどに、ありがたみが増します。以前、ペット可の介護施設を見学したことがあったんですけれど、そこの入居者さんはとても元気でした。「自分が面倒を見なくちゃ」と思うと、気持ちがシャキッとするんでしょうね。「もう高齢だから、とてもペットの面倒は見られない」って思いがちですけれど、高齢だからこそペットが必要なんじゃないかと思うんです。

荻原 ただ、ペットってけっこうお金がかかります。ペットフードだけでも年間数万円かかるし、トイレシートなどの消耗品も必要です。医療保険はないので医療費は実費だし、ワクチン代も数千円、避妊手術に数万円。1匹あたり平均すると、わが家の場合は年10万円くらいかかると思います。

書影『お金が貯まる健康習慣』(鎌田 實、荻原博子、主婦の友社)『お金が貯まる健康習慣』(鎌田 實、荻原博子、主婦の友社)

鎌田 でも、それに勝るとも劣らない幸せがあるんですよね?

荻原 もちろんです。私の健康の源ですし、ある意味、趣味でもある。犬が好きだから、そこにお金を使っているんです。鉄道マニアの人がグッズを集めるのと同じですよね(笑)。

鎌田 誰かのお世話をするのは大変だし、自分だけのほうがラクなように思えるんだけど、誰かの役に立っていると思うと心が明るくなるんです。誰かの助けになることが、回り回って幸せにつながる気がしますね。

荻原 幸せはお金で買えないから、アクションを起こさないと自分のところにはやってこないってことです。