今年3月初め、中国人のエンジニア4人が北京からマレーシアに向かった。それぞれ15台のハードドライブを詰めたスーツケースを持参していた。ドライブには人工知能(AI)モデルの学習用のスプレッドシート、画像、動画など、計80テラバイトのデータが入っていた。エンジニアの雇用主は、マレーシアのデータセンターで米半導体大手エヌビディアの高性能チップを搭載したサーバー約300台を借りていた。エンジニアらはサーバーにデータを読み込ませ、AIモデルを構築して本国に持ち帰る計画だった。米国は2022年以降、安全保障上の懸念から、中国への高性能AI用チップやその他の技術の販売に対する締め付けを強化してきた。しかし中国企業は規制をかいくぐってAI技術を進展させてきた。
中国AI企業、米規制回避に新手 データ空輸
エヌビディア製チップが入手可能な国へスーツケースでデータ持ち込み、現地で利用
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