同様に、ヘルシー日本食パターンスコアと内臓脂肪面積の関連においても、男性ではヘルシー日本食パターンスコアが高得点であるほど、内臓脂肪面積が有意に低くなっていましたが、男性にくらべて内臓脂肪量の少ない傾向である女性では、そのような関連が認められませんでした(図3-8)。

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肉よりも副菜重視の
日本食で肥満予防
これらの結果は、とくに中高年男性で、副菜重視の日本食が、腹部肥満の予防に効果的であることを示唆しています。
ミドル男性には「スタミナには肉!」という意識が強いようですが、メタボ予防を含めた健康の保持のためには、副菜重視の日本食をとることが推奨されます。
加齢による老化は、多くの疾病や死亡率の最大のリスクファクター(危険因子)です。そのため、近年では、食事パターンの介入によって、老化を抑制することが重要であると考えられるようになってきています。
たとえば、イタリア、ギリシャ、スペインなどの地中海沿岸に住む人々が食べている伝統的料理である「地中海食」が、生物学的老化(エピジェネティック老化)を遅延させる可能性が示唆されています。
ライフスタイル要因が生物学的老化におよぼす影響に関する研究から、抗酸化機能を有する微量栄養素(ビタミンC、β-カロテンなど)をしっかりと摂取しているシニア(65歳以上の男性が対象者)は、生物学的年齢が暦年齢よりも若いことも明らかになっています。
日本食を続けることで
老化が遅延できる
それでは、日本食と老化の関係はどうでしょうか。副菜重視の「ヘルシー日本食パターン」と、生物学的老化の関連を、WASEDA’S Health Studyに参加したシニア男性を対象として、検討しました。
その結果、納豆や豆腐などの大豆製品や魚介類に加えて、緑黄色野菜、海藻類、そして果物をしっかりとっているヘルシー日本食パターンスコアが高いシニアほど、生物学的年齢加速が遅く、テロメア長が長いことが示されました。