つまり、日本食は、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素の摂取に理想的な食事パターンであることが明らかになったのです(図3-7)。

図表4:ヘルシー日本食パターンスコアとDRIs-スコアとの関係同書より転載
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ヘルシー日本食パターンは
ダイエットにも効果的

 食事の総合的な評価指標である食事パターンは、世界各国において健康指標との関連が報告されています。たとえば、2型糖尿病および心疾患の主要な危険因子であり、メタボ判定において必須となる腹部肥満も、そのひとつです。

 野菜、果物、豆、全粒粉の摂取を特徴とする「ヘルシー日本食パターン」は、すでに海外において、腹囲とは負の関連が報告されています。

 ただし、これまで、日本食と腹部肥満との関連は明らかにされていませんでした。そこで、管理栄養士の伊藤智子博士が中心となり、中高年男女を対象として、ヘルシー日本食パターンと腹部肥満の関連について、腹囲ならびに内臓脂肪の両指標を用いた研究が行われました。

 本研究では、ヘルシー日本食パターンスコアを低得点、中得点、高得点の3分位に分類し、腹囲ならびに内臓脂肪との関連について、男女別に検討しました。

 その結果、男性においては、加齢、喫煙、身体活動、エネルギー摂取量、アルコール摂取量といった潜在的ライフスタイル因子の影響を取り除いても、ヘルシー日本食パターンスコア高得点群ほど有意に腹囲が低くなっていましたが、女性においては食事パターンスコア得点群間に有意な関連は認められませんでした。