米国株への楽観度、支持政党別の差最大にILLUSTRATION: EMIL LENDOF/WSJ, ISTOCK

 ウォール街には「ポートフォリオに政治的な思惑を持ち込むのは賢明ではない」という格言がある。しかし米国人は、まさにそうした行動を取る傾向を強めている。

 ギャラップ社が今春実施した世論調査で、民主党支持者の中でその後の6カ月間に株価が下落すると予想した人の割合は、同様の予想をした共和党支持者の割合を59ポイント上回った。同じ期間に株価が上昇すると予想した共和党支持者の割合は、民主党支持者の割合を47ポイント上回った。

 この「楽観度ギャップ」は取引の判断につながっている。ベル・エア・インベストメント・アドバイザーズのパートナーで、富裕層の資産約120億ドル(約1兆7000億円)を管理するデービッド・サドキン氏によると、今春のドナルド・トランプ大統領による関税措置が市場を動揺させて以来、自身が顧客から受ける電話からそのことが明確になっているという。

 トランプ氏の政策に賛同していないある裕福な夫婦は、すべての資産を海外に移すべきかサドキン氏に尋ねた。米国株や米債券、ドルといった米国資産の価値がトランプ政権下で暴落するのを恐れてのことだった。

「人々の投票行動が分かれば、株式市場について彼らがどう感じているかも分かる」と同氏は語る。

 支持政党は長年、米国人が経済や食料品店での卵や牛乳の価格についてどう思うかを決める要素となってきた。支持政党が政権に就いていない時、人は低い評価を下すからだ。ミシガン大学が毎月行っている消費者調査によると、この認識の差は2016年にトランプ氏が大統領に選出された後に大きく広がり始めた。