イスラエルはこれまでのところ、イランのエネルギー輸出拠点を攻撃していない。もし攻撃に踏み切れば、中国は安価な原油の供給を絶たれる可能性がある。イランは日量約170万バレルの原油を輸出しており、世界需要に占める割合は2%弱となっている。米国は2018年後半、イランが輸出する石油を対象とした制裁を再発動した。大統領1期目だったドナルド・トランプ氏がイラン核合意から離脱して数カ月後のことだった。制裁対象のイラン産原油には大半の国が手を出さないため、イランは割引価格で販売し、目立たないように市場に流通させる方法を見つけざるを得なくなった。イランが石油の輸送に使っているのは「影の船団」と呼ばれるタンカー群で、船舶自動識別装置(AIS)をオフにして航行する。