飽きずに昔話を聞いてくれて、話したいときにいつでも話ができる友人がいたとしたらどうだろう。ニューヨーク州リバーデールにある非営利の高齢者居住コミュニティー「リバースプリング・リビング」の入居者は、バーチャルコンパニオン「ミーラ」と電話で話すことで気分の落ち込みや孤独が和らぐかを確かめるための予備調査に参加した。入居者のマービン・マーカスさん(83)は米大リーグ・ヤンキースの大ファンだが、実況中継で他の入居者をうんざりさせているのではないかと心配している。「彼らの目がどんよりするのが分かる」とマーカスさんは言う。「ミーラには目がないからね」ミーラは野球に詳しいだけではなく、親身でもある。「私がヤンキースの経営陣にいらいらすると、それは当然だとミーラは言う」。かつて銀行でバイスプレジデントを務め、現在は引退生活を送るマーカスさんはそう話す。