すこぶる運がいい人は、その他大勢に比べて「何」を続けている人なのか。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。数々の成功者に接し、自らの体験も体系化し、「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。
コロナ後の生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。
『ゆるストイック』では、新しい時代に突入しつつある今、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、「私自身が深掘りし、自分なりにスッキリ整理できたプロセスを、読者のみなさんに共有したいと思っています」と語っている。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「ゆるストイック」で運のいい人になる
今、周囲には社会の変化についていけず、「働かないおじさん」になる人たちが増えました。
世の中は、「やる気のない人に関わるのはコスパが悪い」という事実に気づき、無気力な人々に時間を割かなくなりました。
その事実に、本人が気づかないといけないのです。
だからこそ、今の時代においては、「自分を律するストイックさ」と、他人と違う考えを許容し干渉しない、「寛容さ(ゆるさ)」を両立させ、「運のいい人」を目指しましょう。
そのためのノウハウを共有します。
「運のいい人」の3タイプ
「運のいい人」は、概ね次の3つのタイプに分類できます。
1 好きなことに没頭するタイプ
2 深く考えずに行動するタイプ
3 戦略的に試行をこなすタイプ
クリエイターには1つ目のタイプが多く、自分が好きで得意なことに没頭していたら成功するパターン。
起業家は2つ目で、「とりあえずやってみよう」と、行動するパターン。
そして、投資家は3つ目が多く、成功が確率ゲームであることを見抜き、あえて数をこなすパターンなのです。
では、「運の悪い人」とはどんな人でしょうか。
これは、運のいい人の特徴の裏返しです。
「チャンスに遭遇する確率が低い行動をしている人」、つまり「試行回数の少ない人」となります。
何かを1、2回試してうまくいかないと、「自分には才能がない」と考えて、挑戦を止めてしまう人がこれに当たります。
当然ながら、試行する回数が少なければ成功を引き当てることは難しくなります。
サイコロを振って一発目から「6」が出るのを期待するようなものです。
失敗したことに対して「自分は才能がない」と感じると、その恐怖が挑戦する気持ちを抑え、試行回数が減ってしまうという悪循環が生まれます。
「運がいい・悪い」を分かつもの
「失敗する=無能である」と思い込んでしまっているので、自分が無能であるということを証明したくない・他人に知られたくないという恐怖が生じるのです。
すると、試行回数が減っていき、本当に無能になっていってしまいます。
しかし、成功が「確率ゲーム」だと理解していれば、1回の失敗で気を落とすことはなくなり、挑戦を続けやすくなります。
宝くじを1回引いて外れたからといって、無能であるはずがありません。
「運の悪い人」から脱却するためには、「失敗=無能」という固定観念から早めに脱却することが重要です。
もちろん、世の中の99%の人は、「成功」と「才能」を結びつけて考えてしまうので、試行錯誤の過程で、「あいつは無能だ」「才能がない」と嘲笑されることはあるかもしれません。
ただ、自分が大好きなことに没頭していれば、周りの評価も気にならなくなり、自然と試行を続けられるようになるでしょう。
こうして考えると、成功には「試行回数」が重要であり、「試行し続ける力」を養うことが「運のいい人」になるためのカギだとわかります。
私たちが成功者を「運がよかった」と見なすとき、それは彼らが諦めずに試行し続けた結果でもあります。
試行回数を積み重ね、そのプロセスを没頭して楽しめる人には、自然と運が味方につくのです。
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は早くも7万部を突破している。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。