米国の企業は、従業員数を減らせば成長は加速すると確信している。雇用データ提供会社ライブ・データ・テクノロジーズによると、米国の上場企業はホワイトカラーの従業員数をこの3年間で合計3.5%削減した。過去10年間では、S&P500種指数採用企業の5社に1社が従業員数を減らした。これは通常のコスト削減にとどまらず、考え方そのものが変化していることを示している。人員拡充はかつては売り上げ増と将来への自信の表れだったが、今では「経営陣が間違ったことをしている」ことを意味する。生成AI(人工知能)などの新技術により、企業は少ない人員でより多くをこなせるようになった。だがこの動きにはそれ以上の意味がある。西はシアトルのネット通販大手アマゾン・ドット・コムから東はノースカロライナ州シャーロットの銀行大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)まで、場所も規模もさまざまな企業に広がっているのは、従業員が多すぎるとそれだけで障害になる、という考えだ。多くの経営者が言わんとしているのは、今いる従業員はもっと働けるはず、ということだ。
米大手企業が人員削減進める理由
アマゾンだけの動きではない――従業員が多すぎると成長が鈍る、今いる従業員はもっと働けるはず、という考えが米企業に広がっている
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