「えっ、なんで辛くないの!?」真っ赤な韓国キムチが“やさしい味”になる理由写真はイメージです Photo:PIXTA

ある日、自家製キムチ作りに挑戦した世界の台所探検家の筆者。レシピに書いてある韓国産粉唐辛子を自宅にあるチリペッパーで代用したところ、思わぬ事態に……。意外と知られていない、韓国産粉唐辛子の独特の味わいとは?※本稿は、岡根谷実里『台所探検家、地球の食卓を歩く』の一部を抜粋・編集したものです。

日本で一番食べられている
漬物はまさかのキムチ

 日本で一番食されている漬物は、キムチらしい。

 日本の食文化において漬物は重要なもので、夏はなすやきゅうり、冬は白菜やたくあんを漬け、秋田のいぶりがっこから奈良の奈良漬まで各地にご当地漬物がある。

 しかし、現在の生産量1位は、どのご当地漬物でもなくキムチなのだ。漬物離れが叫ばれる中でもキムチは好調で、平成9年(1997年)以降ずっと生産量1位。

 コロナ禍で免疫力強化につながると注目され、韓国ブームも追い風になり、令和5年(2023年)には全漬物生産量の3分の1がキムチになっているのだから驚いた(農林水産省「食品産業動態調査」令和5年度版)。

 さらに、日本国内で生産されるものに加えて韓国からの輸入があるので、実際食卓に上る量で考えるとキムチは圧倒的だ。

 キムチに欠かせないのが唐辛子。キムチの出身地である韓国も、メキシコやブータンと肩を並べる唐辛子大国で、キムチの他にもチゲ、ダッカルビ、ヤンニョムチキンにトッポギと赤いものだらけだ。野菜として使うのではなく、粉末や刻んだものを調味料として使うのは、日本と感覚が近い気がする。