韓国の唐辛子とは、いったいどんなものなのか。
キムチを作ってみようと思い立ったのは、コロナ禍だった。人付き合いがなくなり、それはそれは暇になり、普段よく食べているけれど自分では作ったことのないものを色々作ってみたくなった。その時取り組んだものの1つが、キムチ。ちょうど白菜を丸ごといただいたからという状況もあった。
インターネットで作り方を検索する。本来は樽で漬けるところ、ビニール袋を使い30分で漬かるような簡単お手軽版レシピがあふれていたが、やるなら本格派でいきたい。韓国人の方が書いている「家庭でできる本格的なレシピ」に従うことにした。
韓国産粉唐辛子を
チリペッパーで代用してみた
材料を確認する。
「白菜、大根、にら、りんご、にんにく、生姜、塩、魚醤、粉唐辛子…」思ったより材料が多いんだな。ただ、足りないものは近所のスーパーに行けば揃いそうだ。早速出かけた。
まずは野菜売場、それから果物売場。最後に粉唐辛子を探して調味料売場に行く。棚をながめると唐辛子もいくつか種類がある。チリペッパー、一味唐辛子、韓国産粉唐辛子。
何が違うのだろうか。どれも唐辛子だし、名前の違いだけだろう。そういえば、「粉唐辛子」と漢字でイメージしていたからピンとこなかったけれど、チリペッパーなら家にあったぞ。
仕事柄家にスパイスは多くて、インド料理などに使うチリペッパーはたっぷりある。インドのチリペッパーも、韓国の粉唐辛子も、どちらも粉状の唐辛子だ。ラッキー、使えそうだ。唐辛子は買わず、調味料売場を後にした。
さて、キムチ作り開始だ。白菜を半分に切って塩漬けにする。ひと晩漬けた後、白菜に塗りこむペースト「ヤンニョム」を作る。白菜1個に対して、にんにく丸ごと1個分、生姜大さじ1、りんご半分などなど、そして粉唐辛子1カップ。
1カップ!?そんなに入れて大丈夫なんだろうか。だって、チリペッパーは鍋に小さじ1杯入れるだけで、インド料理のあの辛さになるのだ。いくら一気に食べるものではないと思っても、さすがに怖い。
人生でこんな量の唐辛子見たことない。でも韓国人の方が書いているレシピだし、他にいくつかレシピを見てみても、だいたい同じような量だった。信じよう。小麦粉と水を鍋で練って糊を作り、そこにすりおろした果物やチリペッパーなど、すべての材料を入れてまぜたらヤンニョム完成。