「日本と全然違う…」世界一牛乳を飲むフィンランドの「普通の牛乳」の味が意外すぎた!写真はイメージです Photo:PIXTA

我々日本人が牛乳と聞いて思い浮かべるのは、スーパーで売られているパック牛乳だ。日本ではこれが普通の牛乳だが、世界を見渡すと「普通の牛乳」の定義には驚くほどに差があるのだという。世界の台所探検家が、牛乳の奥深さを解説する。※本稿は、岡根谷実里『台所探検家、地球の食卓を歩く』の一部を抜粋・編集したものです。

「高原3.6牛乳」の
3.6ってどういう意味?

 子どもの頃、家で飲んでいた牛乳のパックには、「高原3.6牛乳」と書かれていた。

 3.6ってなんだ。ちゃんと調べたことはなかったが、スーパーの牛乳売り場には「特濃4.4牛乳」も並んでいたから、きっと数字が大きいほど濃いんだろうとなんとなく納得していた。4.4の方が値段も高かったし。

 大人になってから、数字は乳脂肪分であることを知った。特濃牛乳は通常の生乳にバターやクリームを加えて作られ、こっくりしている。その反対には、生乳から脂肪分を除いた低脂肪・無脂肪牛乳があり、値段は安い。私の母は低脂肪・無脂肪牛乳は牛乳の味がしないと酷評し、特濃牛乳は高いからなのか手を出さず、わが家では3.6の「普通の牛乳」だけが冷蔵庫に入ることを許されていた。

 売り場の8割方は乳脂肪分3.6程度の「種類別:牛乳」が占めているし、給食もこれだったから、きっと日本の家庭の多くが似たような様子なのではないかと推測する。牛乳といったら、3.6牛乳だと信じていた。

 ところが、世界各地を訪れていると、「普通の牛乳」が普通じゃない国も少なからずあるのだ。