東京ディズニー、運営がやたら推してくる高額プラン「バケパ」は誰が買っているのか【夏休み前必見!】Photo:JIJI

東京ディズニーランドや東京ディズニーシーに「久しぶりに行く」という人は要注意です。今のパークは、事前にどれだけ調べて情報を入手できるか、当日はアプリを駆使し頭を使いながらいかに課金するかで、快適に楽しめるかが大きく変わります。それでは、公式サイトが推してくる「バケーションパッケージ」はお得なのでしょうか?(明治大学経営学部兼任講師 中島 恵)

東京ディズニー高額なバケパは誰が買っているの?
アプリを駆使して課金するほど楽しめるパークに変貌

 6月某日――。ついに娘をディズニーランド・デビューさせました。

 自他共に認めるディズニーオタク(通称Dヲタ)の筆者は、これまで数えきれないほど東京ディズニーリゾートに足を運び、主に自分(たまに友人など同伴者)がいかに充実した1日を過ごせるか、効率的なアトラクションやショー・パレードの攻略に奮闘してきました。

 しかし、ついに親の立場で、子どもを楽しませるためにディズニーランドに行くことになったのです。

 筆者はワンデーパスポートが5000円程度だったころ(1990年代~2000年代:4400円~5800円)にディズニーランドに慣れ親しんだ世代です。もちろん、その後のチケット値上げは経験していますが、それでも現在の入園料1万円超、公式アプリによる予約や課金すればするほど楽しめる仕組みなどには、大変革が起きていることを痛感しています。

 現在、ディズニー直営ホテルに泊まろうとウェブ検索していると、「バケーションパッケージ」というものがやたらと推奨されます。

 バケーションパッケージとは、直営ホテル1泊と前後2日間のパークチケット、アトラクション利用券(時間指定や優先搭乗など)、ショー・パレード鑑賞券、キャラクターグリーティングやキャラクターダイニング(ミッキーマウスなどと握手したり写真を撮ったりできる)、人気レストラン予約、ドリンク飲み放題券、ポップコーンバケット引換券などが付いたプラン。1人当たりざっくり見積もって5万~20万円はします。

 価格にかなり幅があるのは、まず、最もリーズナブルなホテルから最高級ホテルのスイートルームまで選択肢があるから。ホテルは繁忙期/閑散期によっても価格の変動が大きいものです。また、レストランでの食事を付けるか否か、ショー・パレードの席順やアトラクション利用券の枚数でもかなり左右します。

 最もお手頃な直営ホテル、「東京ディズニーセレブレーションホテル」で閑散期なら1人当たり5万円程度、最も高額な直営ホテル「東京ディズニーランドホテル」の「ディズニー・マジックキングダム・スイート」に宿泊すれば、1人当たり20万円はかかるということです。

 社会保障費が増大し手取り収入が少ない・伸びない一方、食料品や日用品をはじめガソリン代やガス・電気代などあらゆるものが値上げされて家計を直撃しているといったニュースが連日報道されています。そんな中でも、高額なバケーションパッケージは人気です。いったい誰が購入しているのでしょうか?