まず、遠方から来て宿泊が必須な層にヒットしているようです。飛行機や新幹線を乗り継いではるばる来たのに、お目当てのアトラクションやショー・パレードが楽しめないとなると、疲労度は計り知れません。パークは大変混雑しており、長蛇の列に並んでいればあっという間に時間は過ぎてしまいます。まさに時間をカネで買う解決方法で、満足度を高めているのです。
他にも、記念日を存分に楽しみたいカップルや資金力のある人は、事前にクレジットカードなどで確実に諸々のサービスを購入したほうが楽しめるテーマパークに仕上がりつつあります。
運営会社は過去最高の業績
資本主義全開のテーマパークに
東京ディズニーリゾートの入場者数は減っているのに(24年度は2755万8000人、過去最高は18年度で3255万8000人)、運営会社オリエンタルランドが過去最高の業績(売上高6793億7400万円、営業利益1721億1100万円、いずれも24年度)をたたき出した理由は何か。それは、まさに時間をカネで買うことで顧客満足度を高める手法、すなわち資本主義全開です。昔とはコンセプトの違うテーマパークになりました。
ファストパスが登場する前は、列に並ぶことに耐えられさえすれば、誰でも平等に楽しめる場所でした。ファストパスの登場後は、園内を走ってファストパスを獲得することと、我慢して並ぶことを効率よく組み合わせれば楽しめる場所でした。
現在は、事前にどれだけ調べして情報を入手できるか、当日はアプリを駆使し頭を使いながらいかに課金するかで、快適に楽しめるかが大きく変わる場所になりました。つまり、情報力と経済力で、楽しめる度合いに格差が生じているのが実態です。
記事後編『夏の東京ディズニーは「早朝+課金」で制す!無課金は疲れるだけ…ごぶさたな人が絶対に知っておくべき最新事情 』では、なぜ筆者がバケーションパッケージを利用しなかったか、インパークして分かったことを分析しています。また、最高に高額でセレブな「プライベートVIPツアー」の全貌に迫ります。

