無課金は疲れるだけ…東京ディズニー「家族で80万円」出費も!「プライベートVIPツアー」の正体Photo:JIJI

今の東京ディズニーランドや東京ディズニーシーは、無情報・無課金では疲れるだけで楽しめません。ディズニーオタクを自称する筆者が子連れで行って分かったパークを楽しむコツと、オリエンタルランドが客単価を上げる戦略に転じたワケを解説します。家族4人で最低80万円を出費する「プライベートVIPツアー」の正体にも迫ります。(明治大学経営学部兼任講師 中島 恵)

無情報・無課金では疲れるだけで楽しめない

 6月某日――。自他共に認めるディズニーオタクの筆者は、ついに子連れディズニー・デビューをしました。1人でいかに効率良くアトラクションやショー・パレードを攻略するかに奮闘してきたのが一変、親の立場で、子どもを楽しませるためにディズニーランドに行くことになったのです。

 東京ディズニーリゾートのチケット料金を振り返ると、2000年代はワンデーパスポートが5200~5800円の固定価格制でした。それが2025年現在、8400~1万900円の変動価格制になりました。なお、年間パスポートはコロナ禍に休止されたままです。

 そして現在のパークは、事前にどれだけ調べして情報を入手できるか、当日は公式アプリを駆使し頭を使いながらいかに課金するかで、快適に楽しめるかが大きく変わる場所になりました。つまり、情報力と経済力で楽しみ方に格差が生じます。無情報・無課金では、親子とも疲れるだけで楽しめない可能性すらあります。

 記事前編『東京ディズニー、運営がやたら推してくる高額プラン「バケパ」は誰が買っているのか【夏休み前必見!】 』でも述べたとおり、運営側がやたら推してくる「バケーションパッケージ」(直営ホテル宿泊にチケット代や各種特典が付いてくる公式プラン)で2日間遊べば、ざっくり1人5万~20万円程度、家族3人で少なくとも15万円はかかります。

 これほど課金すれば、無課金とは比べ物にならないほど快適に楽しめるはずです。課金することで、当日ずっとアプリとにらめっこしたのにアトラクションやショー・パレードの予約や抽選に外れてがっかり、計画が狂ってどうリカバリーしよう、といった悩みがなくなります。

 しかし、筆者はバケーションパッケージを使いませんでした。理由は2つあります。