スマホ・テレビ・ゴシップ……日常生活の99％はムダだらけ。しかし、ムダを捨てるためにいくら効率を良くし、生産性を上げても、他人の期待に応えているだけで、自分のためになっているわけではない。「依存のプロ」GoogleとYouTube出身の著者が生み出した、自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」とは？ 27言語で刊行され、世界で累計30万部を突破している『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』をもとに解説する。（構成／ダイヤモンド社書籍編集局）
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何も考えたくないとき、つい「忙しさ」に頼ってしまう
私は、忙しいときに限って予定をつい詰め込んでしまう。
忙しければ忙しいほど、「自分が本当にやりたいこと」や「自分の本当の気持ち」に向き合わずにすむからだ。
しかし、「あれもこれも」と頭の中にはタスクが溢れているのに、それがちゃんと形になることはない。
移動中も、ごはんを食べているときも、ずっと次の予定のことを考えている。
仕事終わりに友人と会っても、頭はフル稼働のまま。
目の前の会話にうまく集中できず、「あれ、私いま何してるんだっけ？」と、ふと我に返る。
そんなとき、必ず最後にやってくるのが、この感覚だ。
「結局、今日は何をちゃんとやれたんだろう？」
タスクも、人間関係も、すべてが頭の中に詰め込まれたまま、1日が過ぎていく。
気づいたときには、メンタルがボロボロになっていた――。
でも、あるときからこの状況を抜け出すことができるようになった。
計画を書き出す
それが、「計画を書き出す」という、シンプルな習慣を身につけることだ。
計画を書き出すことには、魔法のような力がある
――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より
「計画を書く」といっても、立派な手帳や時間管理ツールは必要ない。
ふせんでも、A4用紙でも、メモアプリでも、自分が一番気軽にできる方法であれば何でもいい。
その日、自分が一番やりたいことを書き出すだけで構わない。
書き出してみると、意外なことに気づく。
「やらなければならない」と思っていたことの多くは、実はそうでもなかったり、すぐに対応する必要のないことだったりする。
むしろ、本当にやるべきことはひとつかふたつ程度しかなかったりするのだ。
あれこれ手を出して何も終わらない状態から脱する第一歩は、「量を減らすこと」ではなく、「頭の中を整理すること」にある。
頭の中に空白を作る
私たちは、「もっと時間があれば」「余裕ができたら」と考えがちだ。
しかし本当に必要なのは、「頭の中に空白を作ること」なのかもしれない。
情報やタスクが整理されていないと、人は目の前のことに集中できない。
しかし、紙に書き出すだけで、脳は「もう考えなくていい」と判断して、静かになる。
慌ただしさとは、実のところ「タスクの多さ」ではなく、「脳内の未整理感」から来ているのだ。
やりたいことを1つ書くだけで、どんなに慌ただしくても自分と向き合うことができる。
簡単すぎる方法に思えるかもしれないが、自分のメンタルを自分で整えることはとてもコスパがいい。
「自分をコントロールできる」という自信の大切さ
この習慣を続けるために重要なことは、以下のポイントだ。
――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より
たった数分、自分の頭の中を紙の上に「見える化」し、見える場所に置くことで、不思議なくらい心がラクになる。
そして、この行動が「今日も自分をちゃんとコントロールできた」という小さな自信につながる。
慌ただしい毎日の中で、自分を見失わないためにも、まずは1枚のふせんと1本のペンから始めてみてほしい。
（本記事は、ジェイク・ナップ ジョン・ゼラツキー著『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』をもとに作成しました。）
27言語で刊行、世界累計30万部のベストセラー！
『とっぱらう』（ジェイク・ナップ、ジョン・ゼラツキー＝著、櫻井祐子＝訳）
グーグル×ユーチューブ出身の「時間オタク」による
新しい「時間の教科書」、誕生！
僕らはジェイクとJZだ。
イーロン・マスクのようなロケット開発をしている大富豪でもないし、ティム・フェリスのようなハンサムな教養人でも、ジェフ・ベゾスのような天才的経営者でもない。
時間管理法の本といえば超人が書くものか、超人について書かれたものと決まっているが、この本には超人はいっさい登場しない。僕らは読者のみなさんと同じ、ストレスにやられたり気が散ったりする、あやまちを犯しがちな普通の人間だ。
僕らがちょっと変わった視点をもっているのは、長年テクノロジー業界でGメールやユーチューブ、グーグル・ハングアウトなどの構築に関わってきたプロダクトデザイナーだからだ。
僕らはデザイナーとして、抽象的なアイデア（「メールが自動的に振り分けられたらよくないか？」など）を現実世界の解決策（Gメールの優先トレイなど）に変える仕事をしてきた。そのために、テクノロジーが生活のなかでどういう位置づけにあり、生活をどう変えているのかを理解する必要があった。
そうして数年前、僕らは時間という目に見えないものを「デザイン」できることに気がついた。でもその気づきをテクノロジーや事業機会として開拓するより先に、まず僕ら自身の人生にとっていちばん意味のあるプロジェクトや、いちばん大事な人たちとの時間にあてはめることにした。
本書では、僕らが編み出した原則と戦術を紹介しつつ、僕らの犯したヒューマンエラーや、オタクっぽい解決策についても語ろうと思う。
本書の内容
第1章 毎日「最重要事項」を選ぶだけでいい
第2章 とにかく「気を散らすもの」をとっぱらう
第3章 疲れた脳を休めるには、まず体を動かす
第4章 一度ダメでも続ける力をもつ
第5章 「いつか」を今日にする
