「頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが20万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)

「なぜ?」とは真逆の方向に導く
以前、「部下のミスについて“なぜなぜ分析”をしています」という話がありました。
「なぜこのミスが起きたのか?」「では、その原因は何か?」と、“なぜ”を繰り返し掘り下げていくというものです。
しかし、中には“なぜ”についての回答が途中で止まってしまい、問題解決に至らないという方もいます。
このように「なぜ?」を問うコミュニケーションを取っていると、必ずどこかで行き詰まる瞬間があります。
そんな時に最も重要なのが、「真逆の概念を伝える」ということなんです。
たとえば、「なぜできなかったのか?」という問いの真逆は、「どうしたらできたのか?」という問いになります。
この“真逆”の発想をすることで、思考の方向が大きく変わっていくのです。
具体的に言うと、「なぜこの日程調整をミスしたのか?」と聞くと、「自分がちゃんと記憶していなかったからです」「なぜ記憶できていなかったの?」「メモを取っていなかったからです」「なぜメモを取っていなかったの?」と、延々と原因を掘り下げていくことになります。
もちろん、このような分析で問題を解決できる人もいます。
しかし、そうやって行き詰まってしまい、いわゆる“負のスパイラル”に陥る人も少なくありません。
そんな時には、上司が“真逆”の方向へ導くことが重要になります。
「逆にどうしたらこの日程調整をうまくできる?」と尋ねると、「そもそも日程調整がなければ問題は起きないですね」とか、「自分以外のもう一人と一緒に対応するならできるかもしれません」といった具合に、自分なりの解決策やアイデアが出てくるようになります。
このように、真逆の視点で問いかけることは非常に有効です。
“なぜなぜ分析”は確かに良い方法ですが、もし負のスパイラルに入ってしまった場合には、それだけでは抜け出せなくなることがあります。
これは仕事だけでなく、プライベートの場面でも同様です。
たとえば、子どもに対しても「なぜテストで点が取れなかったの?」と聞くのではなく、「どうしたらテストで80点以上取れそう?」と聞いてみる。
すると、「もっと勉強しなきゃいけないけど、勉強のあとにおやつをくれたら、もっと勉強できるかも」などと、前向きな方向性が見えてくるようになります。
ですから、袋小路に入り込んでしまったと感じた時は、ぜひこの「真逆の概念を相手に伝える」ことを実践してみてください。
特に上司の方は、ぜひこの考え方を心に留めておいていただければと思います。
(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者、西原亮氏が特別に書き下ろしたものです)