
Photo: Carolyn Fong for WSJ
米国の若者の買い物ブームは終わりを迎えた。
市場調査会社サーカナによると、18~24歳の実店舗およびオンラインでの購入額は1~4月に前年同期比13%減少した。これより上の年齢層の支出は引き続き増加しているものの、伸びは鈍化した。
経済的逆風が重なったことが支出減の要因だ。新卒の若者は就職難だが、数百万人が学生ローンの返済再開に直面している。ニューヨーク連銀によると、この約1年間のクレジットカード延滞率は新型コロナウイルス流行前以降の最高水準に達し、18~29歳で最も高い。
「この年齢層は上の層以上に苦戦している」。ウェルズ・ファーゴのエコノミスト、シャノン・グライン氏はこう指摘する。若者の支出減が特に大きかった分野は、衣料品(11%)、アクセサリー(18%)、テクノロジー(14%)、小型家電(18%)などだ。
仕事を始める段階で苦労するのはどの世代でも珍しいことではない。ただ、若い世代は上の世代に比べて大きな家計の義務的支払いが少なく、娯楽や衣服に使える資金が多い傾向もある。その後キャリアを積むと購買力が上がるのが一般的だとエコノミストは指摘する。
グライン氏は「今は厳しい」と述べた。「若い消費者は支出が少ないだけでなく、おそらく貯蓄も少ないため、将来の資産形成能力が損なわれる可能性がある」