小さな会社や個人商店、個人事業主の方が、「今すぐ売上や利益をあげたい!」と思ったときには、どうしたらいいのか? 『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法 チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる!』(ダイヤモンド社刊)では、販促コンサルタントの岡本達彦氏が、だれでも手軽に低予算で実施でき、販促効果の高い販促手法を紹介している。本連載では、新規顧客の開拓や売上・利益の減少に悩む経営者や個人事業主の方に向けて、『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法』で紹介している考え方をベースに、著者の岡本氏が効果の見込める販促策について、書き下ろしでわかりやすく解説していく。

「ウチには強みがない」と感じる人へ。本当に選ばれている理由は、お客様が教えてくれるPhoto: Adobe Stock

「うちには他と比べて特別なものがない…」
と感じたことはありませんか?

「強みを出せと言われても、正直よくわからない」
「他社と比べて、ウチの何が違うのか、自信がない…」

 そんなふうに感じている経営者やスタッフの方は、決して少なくありません。

 特に、長年同じ商品やサービスを扱っている方ほど、自分たちの魅力を当たり前だと感じてしまい、改めて言語化するのが難しくなっているものです。

 でも、実はあなたの「強み」は、すでにお客様が知っています

自分では見えない強みの正体

 強みとは、かならずしも特別な技術やスペックのことではありません。

 むしろ、あなたが普段から自然にやっていることや、当たり前だと思っていた対応に対して、お客様が感謝していたり、「他にはなかった」と評価していることが少なくありません。

 たとえばこんなケースです。

 ・お客様にとっては「丁寧な説明」がありがたかった
 ・他社と違って「すぐに連絡をくれたこと」が決め手になった
 ・店内に入ったときの「安心感」が理由だった

 こうした声は、当事者にとっては「ふつうのこと」であるため、自分ではなかなか気づけません。

 だからこそ、自分の頭で考えるのではなく、実際に買ってくれたお客様の言葉を聞くことが何よりも大切なのです。

アンケートが強みの発見装置になる

 ここで活躍するのが「A4」1枚アンケートです。

 5つのシンプルな質問に答えてもらうだけで、お客様がどんな悩みを持っていて、どこで知り、何を不安に思い、何が決め手だったか、そしてどう思ったのかが分かります

 その中でも「購入の決め手」の答えは、あなたの強みそのものです。

 たとえば、
「どこよりも対応が早かったので安心できました」
「専門用語を使わず、こちらの目線で話してくれたのがうれしかったです」
「正直、価格は他より高かったけど、ここなら信頼できると思いました」

 このようなリアルな言葉こそ、あなたが選ばれた理由であり、それはそのまま「他社にはない強み」となります。

自分で考えるより、聞いた方が早い

 ビジネス書やセミナーでは、「USP(独自の強み)を打ち出せ!」とよく言われます。

 ですが、自分で強みを考えようとすると、悩んでしまう人が大半です。むしろ、自分の強みをお客様に教えてもらう。この逆転の発想が、実は一番スムーズで、確実です。

 それに、お客様の声をそのまま使えば、「お客様と同じ目線の言葉」で広告やSNSを作れるので、伝わりやすさも段違いです。

強みは「探す」ものではなく「気づく」もの

 多くの会社やお店が、自分の魅力に気づけずに埋もれています。

 でも、お客様の声に耳を傾けるだけで、「ああ、これが自分たちの強みだったのか」と腑に落ちる瞬間が、必ずやってきます。

 あなたの仕事にも、きっと他にはない価値があるはずです。それに気づくための第一歩が、「お客様に聞くこと」なのです。

岡本達彦(おかもと・たつひこ)
株式会社アカウント・プラニング代表取締役
販促コンサルタント
広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功体験をベースに、難しいマーケティングや心理学を勉強しなくてもアンケートから売れる広告を作る広告作成手法を日本で初めて体系化する。業界を問わず、お金をかけないで簡単にでき、即効性もあることから、全国の公的機関、経済団体、フランチャイズ本部からセミナー依頼が急増し、社内に仕組みとして取り入れたいという会社からのコンサルティング依頼は後を絶たない。
著書にアマゾン上陸15年「売れたビジネス書50冊」にランクインし、販促書籍のベストセラーとなった『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法 チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる!』、『あらゆる販促を成功させる「A4」1枚アンケート実践バイブル―お客様の声から売れる広告・儲かる仕組みが確実に作れる!』、『「A4」1枚チラシで今すぐ売上をあげるすごい方法』(ダイヤモンド社)などがある。