小さな会社や個人商店、個人事業主の方が、「今すぐ売上や利益をあげたい!」と思ったときには、どうしたらいいのか? 『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法 チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる!』(ダイヤモンド社刊)では、販促コンサルタントの岡本達彦氏が、だれでも手軽に低予算で実施でき、販促効果の高い販促手法を紹介している。本連載では、新規顧客の開拓や売上・利益の減少に悩む経営者や個人事業主の方に向けて、『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法』で紹介している考え方をベースに、著者の岡本氏が効果の見込める販促策について、書き下ろしでわかりやすく解説していく。

見た目ではなく流れが大切。ホームページやチラシで伝える順番の工夫Photo: Adobe Stock

「デザインはいいのに反応がない」広告の共通点

 せっかく時間とお金をかけて作ったチラシやホームページ。見た目もおしゃれで、キャッチコピーも頑張って考えた。それなのに、「全然反応がない…」という経験はありませんか?

 実はその原因、デザインや言葉選び以前に、説明の順番にあることが多いのです。どんなに魅力的な情報も、読む人にとって「今、その話じゃない」と思われてしまえば、頭に入ってきません。

 広告やホームページでは、「見た目」よりも「流れ」(伝える順番)を整えるだけで、伝わり方がガラッと変わるのです。

伝える順番がズレていると、スルーされる

 たとえば、こんなチラシを想像してみてください。

【いきなり書かれていること】
 ・「○○サービスは業界No.1!」
 ・「高品質!短納期!低価格!」
 ・「導入実績○○件以上!」

 情報としては間違っていません。

 でも、これらはお客様にとって「すでに興味を持っている場合に知りたいこと」です。興味を持っていない段階の人にとっては、「で、私にどう関係あるの?」となり、すぐにスルーされてしまいます。

 チラシやLPなど広告では、相手の感情の流れに沿って情報を並べていくことが大切です。

「読む順番=心の動き」に合わせる

 では、どういう順番が良いのでしょうか?

 基本は、以下のようなお客様の心の流れに沿って構成することです。

 ① 共感・興味
「これ、自分のことかも」と思ってもらう入口(悩み・課題・状況)

 ② 解決策の提示
「あなたのお悩みには、こんな方法があります」と提案

 ③ 信頼感・安心材料
「実績」や「お客様の声」「よくある不安への回答」など

 ④ 行動の後押し
「まずは無料相談から」「お電話はこちら」などの導線

 この順番に整えるだけで、「見てもらえる確率」も「最後まで読まれる確率」も大きく変わってきます。

「A4」1枚アンケートが伝える順番のヒントをくれる

 この伝える順番を考えるときに、大きなヒントになるのが「A4」1枚アンケートの回答です。

 なぜなら、アンケートの5つの質問は、お客様の購入までの流れ=感情の流れそのものだからです。

 ・どんな悩みを持っていたのか(共感)
 ・どこで知ったのか(接点)
 ・どんな不安があったのか(不信)
 ・何が決め手だったのか(納得)
 ・実際に使ってみてどうだったか(満足)

 この順に合わせてチラシやLPを構成すると、お客様にとって「読みやすく、納得しやすい」流れが自然と出来上がります。

書き換えるのではなく、「並べ替える」

 反応の悪い広告を改善しようとするとき、つい「キャッチを変えよう」「目立つ色にしよう」と考えてしまいがちです。

 でも、実は内容を変えずに、順番を変えるだけで、効果が大きく上がることがあります。

「何を言うか」ではなく「どう伝えるか」。その中でも特に、「伝える順番」が、伝わる・伝わらないを分ける最大のポイントになるのです。

岡本達彦(おかもと・たつひこ)
株式会社アカウント・プラニング代表取締役
販促コンサルタント
広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功体験をベースに、難しいマーケティングや心理学を勉強しなくてもアンケートから売れる広告を作る広告作成手法を日本で初めて体系化する。業界を問わず、お金をかけないで簡単にでき、即効性もあることから、全国の公的機関、経済団体、フランチャイズ本部からセミナー依頼が急増し、社内に仕組みとして取り入れたいという会社からのコンサルティング依頼は後を絶たない。
著書にアマゾン上陸15年「売れたビジネス書50冊」にランクインし、販促書籍のベストセラーとなった『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法 チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる! 』、『あらゆる販促を成功させる「A4」1枚アンケート実践バイブル―お客様の声から売れる広告・儲かる仕組みが確実に作れる!』、『「A4」1枚チラシで今すぐ売上をあげるすごい方法』(ダイヤモンド社)などがある。