小さな会社や個人商店、個人事業主の方が、「今すぐ売上や利益をあげたい!」と思ったときには、どうしたらいいのか?『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法 チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる!』(ダイヤモンド社刊)では、販促コンサルタントの岡本達彦氏が、だれでも手軽に低予算で実施でき、販促効果の高い販促手法を紹介している。本連載では、新規顧客の開拓や売上・利益の減少に悩む経営者や個人事業主の方に向けて、『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法』で紹介している考え方をベースに、著者の岡本氏が効果の見込める販促策について、書き下ろしでわかりやすく解説していく。

感想だけでは売れる理由は見えてこない。広告に活かすなら、5つの流れを押さえるPhoto: Adobe Stock

「感想があるのに、広告には活かせない?」という違和感

「お客様から良かったよ!という声はもらってるのに、なぜかチラシやSNSでは反応が出ない…」

 そんなモヤモヤを感じたことはありませんか?

 実はそれ、よくある悩みです。そしてその原因は、お客様の感想=広告にそのまま使えると思ってしまっていることにあります。

 もちろん、「良かった!」という声自体はありがたく、励みにもなります。

 でも、それだけでは「売れる理由」にはならないのです。

感想には「伝わる流れ」がない

 なぜ感想だけでは伝わらないのでしょうか?

 理由は単純です。多くの感想は、「結果」だけを語っていて、「そこに至るまでの流れ」が抜け落ちているからです。

 たとえば、
「すごく良かったです!」
・「スタッフの対応が丁寧でした」
・「また利用したいと思いました」

 どれも嬉しい言葉ですが、これを広告に載せても読み手はこう思うでしょう。

で? 私には関係あるの?」
「どう良かったの?」
「自分の場合もそうなるの?」

 つまり、「その人がどういう状況で、何に悩み、どうやって選び、なぜ満足したのか」という背景の流れが見えないと、読み手にとっては自分ごとにならないのです。

「5つの流れ」があって初めて、広告に活かせる

 では、どうすれば伝わる「お客様の声」になるのか。それが、「A4」1枚アンケートで活用している5つの質問の流れです。

1. 商品を購入する前、どんなことで悩んでいましたか?
 → どんな人がこの商品を必要とするかが見える

2. 商品をどこで知りましたか?
 → どんな情報が刺さったのかがわかる

3. 商品を知ってすぐ購入しましたか?しなかったとしたら、どんな不安がありましたか?
 → 隠れた障壁や疑念がわかる

4. 何が決め手となって購入しましたか?
 → 広告で推すべきポイントが明確になる

5. 実際に使ってみて、いかがでしたか?
 → 最後に満足感・信頼を伝える

 この5つの流れがあると、「読み手が自分に置き換えて考えやすい構成」になります。

 つまり、単なる感想から、ストーリーとして伝わる広告素材に進化するのです。

「ストーリー化」されると、読み手は納得して動く

 たとえば、同じ「スタッフの対応が丁寧でした」という一言でも、「最初は他社でイヤな思いをした経験があり、不安でした。でもこちらは電話対応からとても丁寧で、安心してお願いできました」

 このように背景から語られると、読み手の心にスッと入ってきます。

 人は「言葉」より「物語」に動かされるからです。

感想ではなく「流れのある声」を集めよう

「お客様の声をもらっているのに広告に活かせない」と感じている方は、何を聞くかを変えてみてください。

 ただの感想ではなく、5つの流れにそった声を集めていくことで、「伝わる広告」「選ばれる理由」「安心を生むコピー」が自然に見えてきます

岡本達彦(おかもと・たつひこ)
株式会社アカウント・プラニング代表取締役
販促コンサルタント
広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功体験をベースに、難しいマーケティングや心理学を勉強しなくてもアンケートから売れる広告を作る広告作成手法を日本で初めて体系化する。業界を問わず、お金をかけないで簡単にでき、即効性もあることから、全国の公的機関、経済団体、フランチャイズ本部からセミナー依頼が急増し、社内に仕組みとして取り入れたいという会社からのコンサルティング依頼は後を絶たない。
著書にアマゾン上陸15年「売れたビジネス書50冊」にランクインし、販促書籍のベストセラーとなった『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法 チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる! 』、『あらゆる販促を成功させる「A4」1枚アンケート実践バイブル―お客様の声から売れる広告・儲かる仕組みが確実に作れる!』、『「A4」1枚チラシで今すぐ売上をあげるすごい方法』(ダイヤモンド社)などがある。