ドナルド・トランプ米大統領は30日、シリアに対する経済制裁を解除する大統領令に署名した。イスラエルとの対立解消を目指すシリアの新政権を後押しする狙いがある。大統領令は数十年にわたる対シリア制裁の多くを正式に解除するもので、この中には同国に対する包括的な経済・金融制裁が含まれる。一方で追放されたシリア元指導者のバッシャール・アサド氏やその側近、また指定テロ組織に対する制裁は維持された。一部の対シリア制裁は先月、トランプ氏が中東歴訪中に同国に「偉大さへの機会」を与えると約束した後に解除されていた。イスラエルの外相は30日、地域の平和条約をシリアやレバノンにも拡大したい意向だと発言。トランプ氏やイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相も、イランとイスラエルの紛争を経て、イスラエルがさらに多くのアラブ諸国やイスラム諸国との関係を正常化する可能性があると示唆している。