
Photo: Desiree Rios for WSJ
米アマゾン・ドット・コムの施設で稼働するロボットの数が、間もなく人間の数を上回る見通しとなり、自動化(オートメーション)を推進する同社が新たな節目を迎えようとしている。
アマゾンは人間が行っていた施設内での作業を長年にわたって自動化し、現在展開しているロボットは100万台を上回っているとしている。これはアマゾンにとって過去最多で、施設で働く労働者数にも迫っている。
アマゾンの倉庫では棚から商品を取り出す金属製のアームや、床を移動し続けて商品を梱包(こんぽう)場所まで運ぶ車輪付きロボットが音を立てて作業にあたる。また別の場所では自動化されたシステムが商品の仕分けを手伝い、別のロボットが出荷用の梱包(こんぽう)を支援している。
その中でも新型ロボット「バルカン」は触覚を備えており、複数の棚から商品を取り出すことが可能。アマゾンは最近になり、ロボットが他のロボットや人間と連携して作業することが可能になるよう、ロボットを注文処理プロセスに接続する措置も講じている。
ロボット工学コンサルティング会社のインタラクト・アナリシスでリサーチマネジャーを務めるルーベン・スクリベン氏は、アマゾンが「ロボット工学の完全統合という目標に一歩近づいた」と述べた。
アマゾンは各国での配送の75%が、現時点でロボット工学による何かしらの支援を受けていると明らかにしている。また自動化の進展で生産性が向上し、フルフィルメントセンターでの高い離職率などの問題を解決する圧力も緩和されたという。