【一度覚えたら絶対忘れない】超すごい暗記法、3つのコツ
働きながら3年で、9つの資格に独学合格! 大量に覚えて、絶対忘れないノウハウとは?
「忘れる前に思い出す」最強のしくみ、「大量記憶表」を公開!
本連載の著者は棚田健大郎氏。1年間必死に勉強したにもかかわらず、宅建試験に落ちたことをきっかけに、「自分のように勉強が苦手な人向けの方法を編み出そう」と一念発起。苦労の末に「勉強することを小分けにし、計画的に復習する」しくみ、大量記憶表を発明します。棚田氏の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、メソッドの一部を公開します。

【一度覚えたら絶対忘れない】超すごい暗記法、3つのコツPhoto: Adobe Stock

超すごい暗記法、3つのコツとは?

 本日は、資格試験に役立つ暗記法をご紹介します。

 宅建試験に合格するためには、当日まで知識をしっかりと保持しておくことが何よりも重要です。その場で覚えられても、試験当日に忘れてしまっていては意味がありません。

 そこで必要になるのが、短期記憶を長期記憶に移行させるという作業です。これは単なる暗記以上に、学習全体の質を左右する極めて重要なプロセスです。

 本日は、短期記憶を長期記憶に移行させるコツを3つご紹介します。

コツ① 繰り返す

 1つ目のコツは、「繰り返す」です。どれだけその場で理解できても、時間が経てば必ず忘れます。一度や二度の復習では不十分で、毎日繰り返すくらいの意識が必要です。

 実際、私自身も一回で覚えられることなんてほとんどありません。だからこそ、計画的に復習できる仕組みが必要になります。私は、「大量記憶表」というものを用意していますが、これはまさに短期記憶を長期記憶にするための仕組みを、スケジュールに落とし込んだものです。

 毎日どの内容を復習すべきかが一目でわかるようになっており、拙著『大量に覚えて絶対忘れない紙1枚勉強法』にも登場します。繰り返し学習を習慣化することが、記憶を定着させる最も効果的な方法であることは間違いありません。

コツ② 記憶に意味を持たせる

 2つ目のコツは、「記憶に意味を持たせる」ことです。これはどういうことかというと、単なる数字の羅列や単語を、ただ機械的に覚えるのではなく、意味をもった形で頭に入れるということです。

 代表的な方法としては、語呂合わせがあります。たとえば「鳴くよウグイス平安京」といったように、数字と意味ある言葉を結び付けることで、記憶がずっと残りやすくなるのです。宅建試験にも覚えなければならない数字や語句が多くありますが、それらも語呂合わせによって整理することで覚えやすくなります。

 ただし、市販の語呂合わせはやや強引なものも多く、逆に混乱してしまうこともあります。そこで私は「覚える歌」というスタイルを取り入れています。これは、覚えるべき内容をメロディーに乗せて歌にしてしまうという方法です。歌詞には意味を持たせてあり、メロディーとともに覚えることで、記憶が自然と頭に残ります。

コツ③ エピソードと関連づける

 3つ目のコツが、「エピソードと関連づけること」です。これは、覚えたい内容にちょっとした出来事や雑談、感情を絡めていくというものです。

 たとえば、講義中に先生が冗談を言って笑いが起きたとか、あるセミナーで印象的な言葉があったなど、そのときの情景や雰囲気が記憶に結びつくと、内容自体も一緒に思い出しやすくなります。

 私も実務の話や現場のリアルなエピソードを交えながら講義をしています。たとえば、両手仲介と片手仲介の違いを説明する際、ただ定義を述べるだけではなく、「実際の営業の現場では、片手仲介はあまり評価されず、両手仲介を求められる」といったリアルな話を加えることで、その知識が具体的なイメージとして記憶に残りやすくなるのです。講義の本筋とは直接関係のない“余談”や“周辺知識”が、記憶を引き出す“きっかけ”として機能する、というわけです。

 このように、短期記憶を長期記憶に変えるためには、「繰り返す」「意味を持たせる」「エピソードと関連づける」という3つの要素が非常に重要です。これは私の意見だけではなく、記憶の専門家も同様のことを述べています。

 勉強が苦手な方や、なかなか点数が伸びないと感じている方の多くは、記憶が定着していないだけで、能力の問題ではありません。繰り返す量が足りていない、工夫が足りていない、それだけのことです。逆に言えば、誰でも時間と工夫を重ねれば、必ず覚えられるということでもあります。

 宅建試験は、記憶力の勝負と言っても過言ではありませんが、記憶は才能ではなく技術です。自分には無理だと思う必要はまったくありません。正しい方法で、十分な量を、粘り強く繰り返す――この基本を大事にして、学習を続けていきましょう。

(本原稿は、棚田健大郎著『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』を一部抜粋・加筆したものです)