働きながら3年で、9つの資格に独学合格! 大量に覚えて、絶対忘れないノウハウとは?
「忘れる前に思い出す」最強のしくみ、「大量記憶表」を公開!
本連載の著者は棚田健大郎氏。1年間必死に勉強したにもかかわらず、宅建試験に落ちたことをきっかけに、「自分のように勉強が苦手な人向けの方法を編み出そう」と一念発起。苦労の末に「勉強することを小分けにし、計画的に復習する」しくみ、大量記憶表を発明します。棚田氏の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、本書の内容を一部公開します。

【働きながら3年で、9つの資格に独学合格】いきなり頭が良くなる「科学的勉強法」とは?Photo: Adobe Stock

いきなり頭が良くなる「科学的勉強法」とは?

 本日は、資格試験に役立つ勉強法についてお話しします。

「復習と復習のあいだを最長でどれくらい空けてもいいのでしょうか?」というご質問をよくいただきます。

 オススメの勉強法は、一言で言えば「忘れる前に思い出す」という勉強法です。とにかくやったことを短い間隔で思い出し、忘れる前に記憶を呼び起こすことを何度も繰り返す。そうすることで、試験当日までしっかり覚えている状態を作るというものです。

 たとえば、皆さんにちょっと想像していただきたいのですが、1年前の今日の夕飯に何を食べたか覚えていらっしゃいますか?

 誕生日や特別な日であれば覚えているかもしれませんが、普通の日であれば覚えていない方がほとんどではないでしょうか。では、これを覚えているようにするにはどうすればいいか。

 答えは簡単で、毎日そのことを思い出せばいいのです。

「忘れる前に思い出す」それだけでいい!

 たとえば今日カレー屋さんでカツカレーを食べたとします。それを1年後まで覚えていたければ、明日、「昨日カツカレーを食べたな」と思い出す。そしてその翌日もまた思い出す。毎日12時になったら「そういえば何月何日にカツカレーを食べたな」と思い出す。

 これを続ければ、1年後でもその出来事はしっかり記憶に残っています。学習も同じで、そうやって思い出すという行為を繰り返すことで、記憶を強固にするわけです。

 とはいえ、宅建の知識を毎日全部思い出すなんて現実的ではありません。だから、最初は短い間隔で復習し、徐々にその間隔を広げていくのです。たとえば最初は1日おきに思い出す、次は3日に1回、5日に1回、1週間に1回…と少しずつ感覚を開けていきます。これによって、作業量を抑えつつ、記憶の定着を図ることができるのです。

復習のタイミングは?

 では、具体的に「最大で何日空けていいのか」という質問についてですが、これにはっきりとした答えはありません。人によって記憶力が違いますので、一律には言えません。私自身は2週間に1回の復習で間に合いましたが、これはあくまで私の場合です。

 自分がどれくらい空けていいのかはどうやって判断するのかというと、目安になる質問があります。

 それは「1週間前の日曜日の夜、どこで何を食べましたか?」というものです。これが思い出せなければ、1週間に1回は復習したほうがいいでしょう。逆にそれがすぐに思い出せるようであれば、さらに2週間前の日曜日の夜の食事を思い出してみてください。もしそれが思い出せないのであれば、あなたにとっては2週間に1回が限度だということになります。

 このように自分の記憶の維持可能な期間をざっくり把握し、その範囲内で復習の間隔を調整していくのが基本です。

 この勉強法の詳細については、拙著『大量に覚えて絶対忘れない紙1枚勉強法』にも記してあります(記憶表のテンプレートは下記)。

【働きながら3年で、9つの資格に独学合格】いきなり頭が良くなる「科学的勉強法」とは?出典:『大量に覚えて絶対忘れない紙1枚勉強法』
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 テンプレートに書いてある通りに機械的にやるのではなく、実際に試してみて、少し間隔が空きすぎたかなと思ったら詰めてみる。逆に、「ちょっとしつこすぎるな」と感じたら少し広げてみる。そうやって自分の体感と照らし合わせながらベストなタイミングを探っていくことが大切です。

 テンプレートをそのまま使うのではなく、ご自身の生活スタイルや記憶の癖に合わせて自由にカスタマイズするのが大切です。これは非常に重要なポイントで、「そのまま言われた通りにやる」のではなく、「理解した上で自分に合うように変えていく」という姿勢こそが、独学における成功の鍵だと思っています。

 ですから「何日空ければいいのか」の答えは、「人による」としか言えません。ただし、私の場合は2週間に1回でしたということをひとつの目安としてお伝えしておきます。その上で、実際にやってみて、合わないようであれば調整していく。それが一番の近道だと思います。

(本原稿は、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』を一部抜粋・加筆したものです)