スーパーヒーローの口の中。赤ちゃん用抱っこひも。吸血鬼のひつぎ。映画ファンは奇妙な場所に手をつっこんでポップコーンをつまんでいる。この1年間に米国の映画館に行った人ならお気付きだろうが、ポップコーンの容器はもはや使い捨ての袋だけではない。多くの映画館が特注デザインの驚くほど高価な入れ物を提供しており、食べ終わった後は持ち帰って家に飾ることができる。「スーパーマン」に出てくる「デーリー・プラネット」紙の新聞販売用ボックス、「ミッション:インポッシブル」最新作の特別な鍵で開く金庫、「カラテ・キッド:レジェンズ」の瓦が割れるようにふたが開く容器などさまざまだ。単価は通常25~50ドル(約3600~7200円)だが、「マーベル」の次回作をモチーフにしたものは80ドルもする。競争は激化し、今では一つの作品に対し、大手の映画館チェーンがそれぞれ独自のポップコーン入れを販売するのが当たり前になっている。米国で今週公開された「Jurassic World: Rebirth(ジュラシック・ワールド/復活の大地)」向けには、米映画館運営大手のシネマークはティラノサウルスの頭部、リーガルは恐竜の胚の培養器を模した容器を用意していた。AMCではティラノサウルスの足跡からポップコーンをつまめる。