アダム・ダイ氏は、米国人が7月4日の独立記念日に何を見たいかを把握することを自分の仕事としてきた。同氏が経営するミラクル・ファイアワークス社は、米国の露店で販売される愛国的な花火を専門としている。例えば、赤・白・青の色で打ち上がる「リバティー・シェル」、最大388発を発射できる手持ち式回転バレルを備え、再装塡(そうてん)も可能な「マキシマム・マシンガン」、ドナルド・トランプ米大統領をモチーフにし、95発を空に打ち上げる「オール・トランプト・アップ」などがある。しかし、米中の貿易戦争は同氏の想定を超えていた。4月には中国製花火に対する米国の関税が一時的に140%超に引き上げられ、業界は混乱に陥った。混乱の中で、出荷できなかった商品もあった。これにより一部商品の価格が上昇し、公共花火大会の費用が上振れするケースもあったと、全米花火協会(NFA)のステーシー・シュナイター・ブレーク会長は話す。だが最終的に関税は40%未満まで下がり、多くの商品が出荷された。