不良のイメージが強い
装いは校則で禁止?
この2つの装いは、過去に社会でネガティブなイメージを持たれていたおしゃれであり(注6)、そのことが、校則をはじめとし、許容されにくさに影響している可能性もあります。
この許容のデータと、実際の子どものおしゃれの経験、そして親自身のおしゃれ開始時期をまとめてみると面白いことが見えてきます。
まず、すべてのおしゃれにおいて、許容開始時期よりも早い段階で、かつ、大きな割合で子どもがおしゃれを経験していることが示されています。そして、子どものおしゃれの経験と親によるおしゃれの許容開始時期には全体的には弱い関係があり(ピアソンの積率相関係数r=0.22からr=0.33、すべてp<0.001(注7))、親がおしゃれを早く許容するほど子どもがそのおしゃれをおこなうという傾向があることが確認できます。
つまり、おしゃれをおこなってよいと親が思うよりも、全体的に少し早めに子どもがおしゃれをする傾向、そして、許可する予定の時期が早いほど子どもが早くおしゃれをする傾向が少し認められるということです。まったく親の考えを無視するわけではないですが、ちょっと子どもの希望が優先しているという感じでしょうか。
おしゃれに限らず、親が考えているよりも子どもが早く何かをおこなうということはよくあることです。たとえば、スマートフォンを持たせるのは中学生になってからと思ってはいても、小学生の高学年になると、友達が持っているとか塾の帰りの連絡用とかで子どもの要望を受けてスマートフォンを持つことを許可したりすることもあるでしょう。
注6 昭和50年代に不良がおこなっていた反抗のしるしの1つでした。
注7 おしゃれの許容開始時期が早い方が得点が大きく、また、おしゃれの経験が早いほど得点が大きくなるように整理したうえで分析をおこなっています。なお、メイクアップのみ相関は認められませんでした(r=0.11、p=0.007)。
注7 おしゃれの許容開始時期が早い方が得点が大きく、また、おしゃれの経験が早いほど得点が大きくなるように整理したうえで分析をおこなっています。なお、メイクアップのみ相関は認められませんでした(r=0.11、p=0.007)。