ただ、これらの調査がおこなわれた2013年頃は、子どもがSNSなどを比較的手軽に利用する状況ではなかったので、母親が顕著に選択される結果になっているのかもしれません。現在であれば、SNSが上位に来る可能性はあります。
親によるおしゃれの許容は
装いの内容によって異なる
親は子どものおしゃれをどの程度許容しているのか、そしてそれが子どものおしゃれにどのように影響しているのか、私が2018年に、3歳以上の未就学児から高校生の娘がいる母親を対象とした調査のデータから見ていきたいと思います(注3)。
図7-1は、どのようなおしゃれをどの年齢段階で許容するかについての累積の値をまとめたものになります。中学生の時点でスキンケアの許容が5割を超え、高校生時点でメイクアップ、ネイル、アクセサリー、体毛処理(この調査では「体毛の脱毛・除毛」)も5割を超えていることが確認できます。

また、ピアスと毛染めについては、高校生の時点でも許容は3割程度ですが、それ以降では許容が8割を超えています。この結果についてみなさんはどのように感じるでしょうか。ご自身の場合と比べてどうでしょうか。
なお、調査Aのデータにおける自分の子どもに対する体毛処理の許容の割合は、先ほどの2018年のものより増えていることが確認できます(図7-2)。

注3 鈴木公啓「子どものおしゃれの低年齢化 未就学児から高校生におけるおしゃれの実態」(『慶應義塾大学日吉紀要 言語・文化・コミュニケーション』、50、53-69頁、2018年)