
昨今、幼い頃からメイクしたり髪を染めたり、高いヒールを履いたりする子どもが増えている。おしゃれに関心を持つのは成長過程のひとつだが、体にトラブルが起きてしまうケースが後を経たないという――。※本稿は、鈴木公啓『子どものおしゃれにどう向き合う? 装いの心理学』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。
化粧品やダイエットが招く
「装い身体トラブル」とは?
化粧品、衣服、アクセサリー、そしてダイエットなどが原因で生じる身体のトラブル全般のことを、「装い起因障害(注1)」や「おしゃれ障害(注2)」といいます。
具体的なトラブルの内容としては、化粧品やアクセサリーによる皮膚のかぶれや、頭髪の染毛や脱色の際の薬剤による皮膚障害、カラーコンタクトによる結膜炎、マニキュアによる爪の障害など、内容は非常に多岐にわたります。皆さん自身、もしくは周りの身近な人でも経験したことがある人もいるのではないでしょうか。
それでは、そのようなおしゃれなどの装いによる身体のトラブル(以降、「装い身体トラブル」)の実際の経験割合について見ていきましょう。かなりめずらしいことなのでしょうか。それとも、意外と多いのでしょうか。
子どもの実態を確認する前に、大人の場合を見ておきましょう。大人はそれほど装い身体トラブルを経験していないのでしょうか。
注1 鈴木公啓・矢澤美香子「大学生及び短期大学生における装い起因障害の実態把握」(『フレグランスジャーナル』、42〈8〉、52-60頁、2014年)
注2 岡村理栄子『おしゃれ障害 子どものうちに知っておきたい!(健康ハッピーシリーズ)』(少年写真新聞社、2016年)
注2 岡村理栄子『おしゃれ障害 子どものうちに知っておきたい!(健康ハッピーシリーズ)』(少年写真新聞社、2016年)