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1位になった企業は?
なんと平均年収1596.7万円

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い会社ランキング2024【平均年齢40代・従業員100人未満】」を作成した。

 対象は上場企業で、単体の従業員数が100人以上の企業は除外している。対象期間は、2023年5月期~24年4月期。

 早速、ランキングを確認していこう。

 1位は、再生細胞薬の開発・製造・販売を手掛けるサンバイオ(東京都中央区)。平均年収は1596.7万円(従業員数29人、平均年齢は47.8歳)だった。

 ランキングの対象となった24年1月期の業績(連結)は、なんと売上高はなし。独自の再生細胞薬「アクーゴ脳内移植用注(SB623)」の慢性期外傷性脳損傷プログラムの承認に向けた製造関連の費用の支出が目立つ。そして研究開発費28億4900万円を計上した結果、営業損失は45億3900万円(前年度は営業損失78億9900万円)、純損失は26億4400万円(前年度は純損失55億5900万円)だった。

 売り上げが立たないのは、アクーゴの承認が想定以上に遅れていることが影響している。医薬品会社は一般的に、薬の販売が始まるまではコストが莫大にかかるものだ。よって決算業績は非常に悪いが、資金調達をして経営をつないでいる。平均年収がこれほど高いのは、優秀な人材をつなぎ止めるために多額の報酬を払い続ける必要があるからだろう。
 
 アクーゴの製造販売の承認取得は25年8月~26年1月ごろを予定しており、認められれば薬価収載(厚生労働相が医療用や医薬品の価格を定め、薬価基準に収載)を経た上で、ようやく販売開始となる。医薬品会社らしい膨大なコストと期間を要する経営スケールだ。