2025年7月、早くも2027年3月卒業の学生の就職活動がスタートしている。近年、就職活動はますます早期化・長期化の様相を呈している。そんな中で、17年連続売上No.1を更新し続けている『絶対内定2027』シリーズは、不安な就職活動におけるお守りのような一冊だ。激変する就職活動にどう取り組んでいけばよいのか、本書の共著者であり、キャリアデザインスクール・我究館館長の杉村貴子氏に、就活生とその親が絶対に心得ておくべきポイントを聞いた。本稿では、地方在住などで、OB訪問などがしにくい人はどうやって都市部の就活生と対等に就活するかを語ってもらった。(取材・文:奥田由意、撮影:池田宏、企画:ダイヤモンド社書籍編集局)

【地方から都内】「地方大の学生」は不利? リアルな就活事情をプロが徹底解説撮影/池田宏

やはり「不利」な部分はある

 地方に住んでいる学生から、社会人訪問の機会がないと相談を受けることがよくあります。首都圏の大学のキャリアセンターは、就職支援にかなり力を入れており、情報面や、自分の大学から希望する企業や業界に就職したOBやOGとの接点が多いなど、比較すると地方の学生が不利な点は存在します。

 しかし、正しいやり方(質)と十分な量の実践で、地方からでも希望する企業へトップ内定していった学生を多く見てきました。我究館にオンライン参加している学生で、地方や海外から大手有名企業に内定した学生は以下のようなことをしていました。

 ・全体像の正確な把握:就職活動の流れとスケジュールを正確に理解し、計画を立て実行していく。
 ・徹底した自己分析:まず自分自身で自己分析を行い、誰かと壁打ちを行いながら自己理解を深く掘り下げる。
 ・圧倒的な努力量:アウトプット(面接)のトレーニングを増やす。首都圏の学生“以上”を意識する。
 ・社会人訪問の圧倒的な量:オンラインで行われている社会人訪問のマッチングツールを積極的に利用する。

 大切なのは、“できない理由”を考えるのではなく、“できる方法”を探し行動する姿勢です。

 現在は就職活動のオンライン化が進んでいるため、地方や海外にいるという物理的なハンディキャップは以前より大幅に縮小しています。

 たとえば、世界・全国どこからでもエントリー可能で、面接も3次面接程度まではオンラインが標準的です。企業説明会でもウェブセミナーが充実しています。社会人訪問も、Zoomなどオンラインでの実施が可能になっています。

 また、我究館に在籍している都内在住の学生でも、95%がオンライン面談を希望しています。これは、利便性の問題だけではなく、社会全体でオンライン活用が常態化していることを示しています。

 実際、企業の現場でもリモートワークやオンライン会議、オンライン商談が当たり前になりつつあり、「オンラインで伝える力」「画面越しでも信頼を得る力」は、今や社会人にとって必須のスキルです。

 だからこそ、就職活動の段階からオンラインを上手く活用し、自ら行動の幅を広げられるかどうかが、第一志望企業からの内定獲得を左右するのです。

 つまり、「地理的なハンディキャップ」は、すでに言い訳にはなりません。誰でも、どこからでも、正しい方法で努力を積み重ねれば、納得のいく結果を出せる、そんな時代が来ているのです。