「行動量」が勝負のカギ

 有名校ではない学生や、海外や地方の大学などで情報面や物理的な面でハンディキャップがある学生が大手企業に内定する最大の要因は、正しい情報にリーチする力と“行動力”です。

 自ら動いて情報を取りに行く姿勢を持ち、インターンシップなどの選考に落ちても、振り返って落ちた理由を分析し、次の選考に向けて準備を行う。

 また、企業や業界を狭く絞りすぎず、知らない領域にも興味を持ってチャレンジする――就職活動は長期戦です。諦めずに、行動し続ける力がある学生は、確実に成長していきます。

 たとえば一度不採用になった企業に再挑戦した際、成長を見せられれば高い評価を得られます。社会人になってから結果を出し続けられる社員は、まさにそういった人物なのです。

 コンプレックスがあったとしても、あるいは地理的なハンディキャップを抱えていたとしても、正しい方法を理解し、それを継続する努力があれば、必ず乗り越えることができます。大切なのは、自分の環境を嘆くことではなく、その環境の中で何ができるかを問い、最大限の行動を重ねていく姿勢です。

 量的なアプローチを継続し、仲間と切磋琢磨しながら質を高めていく。その地道な積み重ねこそが、誰でも平等に与えられた“逆転のチャンス”なのです。「やるかやらないか」は、結局自分次第。やれば必ず変わる、それが就職活動の本質です。

 そして、重要なのは今できることから行動をはじめること。限界を決めているのは、いつも他人ではなく自分自身です。

 だからこそ、学生の皆さんには、自分の可能性に自分でフタをせず、納得のいく内定を勝ち取り、社会で力を発揮して、より良い未来を創っていく唯一無二の存在になってほしい、と強く願っています。

(本稿は、『絶対内定2027 自己分析とキャリアデザインの描き方』『絶対内定2027 エントリーシート・面接』の発売を記念した、オリジナル記事です)

杉村貴子(すぎむら・たかこ)
株式会社ジャパンビジネスラボ代表取締役社長/キャリアデザインスクール・我究館館長/『絶対内定2027』シリーズ共著者、国家資格キャリアコンサルタント
青山学院大学経済学部卒業後、日本航空にて客室乗務員(CA)として勤務。その後、夫・杉村太郎のハーバード大学ケネディスクール留学に帯同し、帰国後はテレビ朝日・BS朝日にてニュースキャスターとして活躍。社会の最前線から情報を伝える立場を経験したのち、証券アナリストに転身。上場企業の経営者100名以上に直接インタビューを行い、企業分析や業界研究のスキルを培う。その後、大和総研にてマーケットリサーチ、営業支援、広報、そして新卒採用(インターンシップ設計を含む)や人材育成など幅広い業務に従事。採用と育成の“企業側”のリアルな視点を熟知している。2014年に株式会社ジャパンビジネスラボ代表取締役に就任。2023年よりキャリアデザインスクール「我究館」の6代目館長として、学生の「本気の就活」に伴走し続けている。多彩なキャリアと人生経験を活かし、「やりたいことが見つからない」「自分に自信が持てない」と悩む学生一人ひとりに寄り添い、我究(自己分析)を通じて“自分だけの道”を見つける支援を行っている。