参院選から一夜明け会見の冒頭で選挙の敗北に頭を下げる、自民党総裁の石破茂首相参院選から一夜明け会見の冒頭で選挙の敗北に頭を下げる、自民党総裁の石破茂首相 Photo:SANKEI

石破首相が語った
「赤心奉国」の意味

「今、最も大切なことは、国政に停滞を招かないこと。比較第一党としての責任を果たしていかねばならない」

 これは、自民党と公明党が大敗を喫した参議院選挙(以下、参院選)から一夜明けた7月21日、石破茂首相が自民党総裁としての記者会見で語った言葉だ。

 振り返れば、石破首相は、2007年7月、改選議席64から37と27議席も激減させた当時の総裁、安倍晋三首相に「なぜ続投するのか?」と辞任を迫っている。それから18年の歳月を経て同じ境遇となった今、続投宣言である。

「立場が変わればこれか。安倍先生はどう思っておられるか。衆院選、都議選、参院選と3連敗したのに続投などありえない。石破(呼び捨て)のままだと自民党は終わる」(旧安倍派・衆議院議員)

「5度目の挑戦でようやく手に入れた首相の座を手放すはずがない。辞めない理屈はあるだろうが、石破(呼び捨て)が辞めることこそ、国益にかなう唯一の道」(落選中の前衆議院議員)

 むべなるかな、である。筆者も、「死に体」となってしまった石破首相が、この先、何を発しようと、その言葉には何の説得力もないと感じている。そんな宰相に国のかじ取りなど任せられるわけがない。

 ただ、石破首相は、続投する考えを表明したうえで、「赤心奉国の思いで国政に当たる」とも語っている。「赤心奉国」とは、誠意を込めて国のために尽くすという意味だ。

 もちろん、衆参両院ともに少数与党となってしまった今、野党側と丁寧に議論し、政策を前に進めていくという決意表明にもとれる。