密かに進む大連立構想、石破首相が参院選後に発足させる、超党派協議体の狙い2007年11月2日、党首会談に臨む当時の民主党代表、小沢一郎(左)と首相の福田康夫。福田は衆参ねじれで国会運営が行き詰まっている現状を打開するため、連立政権協議を打診した Photo:AFP=JIJI

 少数与党政権下では初の参院選が7月3日に公示された。前哨戦と位置付けられた東京都議選は自民党の大敗に加え、公明党の退潮も目立った。有権者の自公離れは昨年の衆院選を引き継ぐ。首相の石破茂が設定した「非改選議席を含めて自公で過半数」という低い勝敗ラインのクリアにも黄信号がともる。しかもクリアしたところで少数与党という厳しい現実は変わらない。

 昨年の政権発足以来、自民党幹事長、森山裕の采配で何とか乗り切ってきた国会運営も限界に達しつつある。森山自身も個別の政策ごとに野党の協力を得ながら政治を前に進めるパーシャル連合の継続は困難との見方を示す。となれば政権自体を強化するしかない。石破自身も6月23日の記者会見で新たな連立の可能性に言及した。

「連立政権というのは、一つ一つのテーマだけの連立というのはあり得ない。それはあらゆる政策について合意できるということが必要である」

 石破に近い自民党幹部はさらに具体的にこう語る。

「参院でも自公が過半数割れとなれば石破退陣、過半数を維持した場合は大連立に向かう」

 投票日までの時間は限られているため、選挙後の体制づくりに向けた動きが始まっている。6月18日夜、東京・銀座の老舗の料亭「金田中」に今なお影響力を持つ“三老人”が集結した。元自民党副総裁の山崎拓、元国民新党代表の亀井静香、そして、ただ1人の現職衆院議員の小沢一郎。この日の会合は小沢が山崎に申し入れて実現した。

「参院選後の政治体制について意見交換をしたい」